家猫への道のり
2011年09月09日(金)
タゴを家の中に入れてから二ヶ月が経過した。一ヶ月以上、毎日毎晩「ウワオ~、ウオ~ン」と泣き続け、夜中も明け方もおかまいなしだったから、窓を閉めていてもきっと外に聞こえているに違いないとハラハラ。ご近所さんに会うごとに「猫が泣きつづけていてごめんなさい」と謝ると、裏の家にいちばん聞こえていたようで、「病気の子でもいるんじゃないかと思って心配していたのよ」と。まあねえ、心を病んでいたといえばそのとおりなんだけど。たぶん、他の家の方たちも耳にしていたと思う。ごめんなさい。
家の中に入れなかったほうが、タゴにとっては幸せだったのかもしれないとずいぶん思い悩み、いっそのこと、もう一度外に出そうかとも思ったが、外の生活は危険だし放射能の数値だって全然下がっていない。外に出したら、きっと後々後悔することになると思ってぐっと我慢。
ようやく一ヶ月を過ぎたあたりから家の中の生活に慣れ始め、ふと気がつくとソファの上で寝ていたり、ベットの上で寝ていたりするようになった。最近では長細かった顔がふっくらしてきて、抱くとズッシリ重い。泣き喚いてはいたけれど、それでも、外よりは家の中のほうがストレスが少なかったといういうことなのかもしれない。
気がかりなのは、なんとなく感情が希薄で「いまどきの若者」みたいな感じがすること。明美はタゴちゃんのことが好きらしく、傍に行ってはタゴの頭を舐めてあげるのだけれど、タゴは知らん振り。そのうちしつこいと思うのだろう、明美のほっぺに噛み付いて(もちろん軽くだけれど)明美が悲鳴をあげる。4年間お外にいるとこんなふうになっちゃうのかしら。気ままな一人暮らし、淡々と過ごしていたからなのか、それとも環境ホルモンとかのせい?
奈々も6年間の外猫生活の後に家猫に昇格した猫だが、タゴ同様、最初のうちは感情に乏しく、人間の言葉にも反応を示さない子だった。顔に表情はないし、目にも感情が表れないから何を考えているのかさっぱりわからず、なんとなく扱いにくい感じがしていた。あれから4年、今では人間のお母さんなしには生きていけないというほどの甘えっ子になり、他の子達がその様子を見て「なに?あの子」という顔をする。
1年、2年、3年・・・何年かかるかわからないけれど、うんとうんと可愛がって、タゴちゃんが家猫らしくなるまで待ってあげなくちゃね。冬になれば、きっと暖かい部屋にいる幸せを噛みしめるにちがいないもの・・・。
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写真:明美とタゴ 早く仲良しになれるといいわねえ
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モクレンの花が咲いた
2011年09月28日(水)
この季節にモクレンが花をつけている。
庭先に、我が家のシンボルツリーのモクレンの木がある。17年前、まだ人の背丈ほどもない苗木を購入して植えたものが、年々大木になり、今では、2階の窓から手を伸ばせば葉に触れられるほどの背丈にまでなった。前に住んでいた借家に大きなコブシの木があって、毎年春になると真っ白い花をつけるのが楽しみでならなかったから、家を建てたら絶対にコブシを植えようと決めていた。コブシならず、本家本元のモクレンになってしまったけれど、それはそれで美しい。
モクレンは毎年4月ごろに花をつける。3月の震災にもめげず、今年も4月にたくさんの花をつけ、散り、そして青々とした緑の葉っぱに覆われていた。ここまでは何の異変もみられなかったのに、花のつくはずもないこの時期に、根元のほうからスックリと1メートルほどの枝が一本伸びてきて、そこに大きなつぼみがついた。花の大きさも葉の大きさも蓮の花のぐらいあって、なんだか気味が悪い。
一瞬、放射能のせいかと思ったけれど、ふと、草木が二度咲くと大地震の前兆と言われていることを思い出す。芥川龍之介がこんなことを書いている。
【大正十二年九月一日の大震に際して(大震雑記)
大正十二年八月、僕は一游亭と鎌倉へ行き、平野屋別荘の客となつた。僕等の座敷の軒先はずつと藤棚になつてゐる。その又藤棚の葉の間にはちらほら紫の花が見えた。八月の藤の花は年代記ものである。そればかりではない。後架の窓から裏庭を見ると、八重の山吹も花をつけてゐる。(中略)その上又珍らしいことは小町園の庭の池に菖蒲も蓮と咲き競ってゐる。(中略)藤、山吹、菖蒲と数へてくると、どうもこれは唯事ではない。「自然」に発狂の気味のあるのは疑ひ難い事実である。僕は爾来人の顔さへ見れば、「天変地異が起りさうだ」と云つた。しかし誰も真に受けない。久米正雄の如きはにやにやしながら、「菊池寛が弱気になつてね」などと大いに僕を嘲弄したものである。僕等の東京に帰つたのは八月二十五日である。大地震はそれから八日目に起つた。「あの時は義理にも反対したかつたけれど、実際君の予言は中つたね。」久米も今は僕の予言に大いに敬意を表してゐる。さう云ふことならば白状しても好い。―実は僕も僕の予言を余り信用しなかつたのだよ。】
芥川が見たのは藤、山吹、菖蒲という複数の花。モクレンの花ひとつで大騒ぎすることもないのかもしれないが、大震災の傷跡はまだ生々しく、再建のメドも立たないまま政治は混迷、増税による野田不況も目前に迫ってきている。こんな不穏な日本だもの、いつなにがあってもおかしくないんじゃないかと、菊池寛の心境。
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写真:これがモクレン?きれいね、かわいいねと声をかけてあげたいところだけれど、やっぱり不気味・・・
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プロフィール
鈍行列車の「ちゅうちゅうとれいん」はいつも満員(ふ~っ…)!時々燃料切れを起こして更新が滞ることがありますが、どうぞ末永くおつきあいくださいネ。姉妹編の「あけみ参上つかまちゅり~」もよろしくお願い致します。
Cast

樹里絵(jyurie):1998年生まれ。マイペースで世話が焼けません。性格温厚で超パパっ子。

桃之輔(momonosuke):1999年生まれ。甘えっ子ですが、ものすごく臆病で、ほとんど一日中、布団の中に隠れています。

亜依子(aiko):2000年生まれ。自己主張が強くて偏屈ですが、そこがまた可愛いいんだなあ。超ママっ子です。

真美(mami):2005年生まれ。外見はタヌキそのもの、性格は犬そのものです。才気煥発で気性が激しい。

美意子(miiko):2005年生まれ? 歯を見ると6、7歳…本当は何歳だろう?一日中、文句たらたら言っています。

奈々(nana):2001年生まれ。ようやくノラっぽさもなくなり、明るい陽気な子になりました。
明美(akemi)にゃ三郎(nyasaburou)、小牧(komaki):2007年生まれ。仲良し3兄弟。毎日楽しそうに暮らしています。

里音(satone):2009年8月保護。どんな生い立ちでどんなニャン生を過ごしてきたのか、それは謎です。未来を生きる猫!

寿々(suzu):1994年12月~2010年3月12日。パパの仕事部屋に入れた唯一の子。人の気持ちがよくわかる、とてもとても頭の良い子でした。

福太郎(fukutarou):1997年4月~2008年3月20日。陽気で甘えっ子。抱っこされるのが大好きでした。お母さん代わりだった寿々との再会、「欣喜猫躍」していることでしょう。
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