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クマを射殺するよりも・・・

2010年10月30日(土)

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このところ毎日のように、人里にクマ出没のニュース。そして、歩くクマの写真が掲載されている記事の最後には必ず「射殺された」の文字が踊る。この間は親子グマだったこともあり、なんだかとても重たい気分になってしまった。まさか、母さんと一緒に人里に下りて殺されるなんて思いもせず、その日の朝も、きっといつもと変わることなく母さんの暖かい腕の中で目覚めたに違いない。そう思うと、親も子も不憫で仕方がない。擬人化したところでしょうがいないのだけれど、親子グマ哀れ。

親子で射殺されたという記事を探してみると、出るわ出てるわ。10月だけでも4日が富山県、18日が新潟県と北海道、21日が京都府、23日が福島県、27日が福井県などなど。母熊と子グマ2頭という組み合わせが多いから都合3匹、ここに挙げただけでも20頭近いクマが殺されたことになる。福井県のケースは、保育園横の空き地でクルミを食べていた親子。親を射殺した後、子グマは山に放すつもりだったらしいのだけれど、子どもたちはショック死してしまったのだそうだ。山に放たれても、親のいない子グマがどこまで生きられるのか。

立て続く親子グマ射殺に対し、市町村や猟友会には「クマが可哀想だ」との苦情が殺到しているのだとか。どのケースも市街地に出没しているから、住民への被害を未然に防ぐためには止むをえない処置だったとしているが、抗議の内容が情緒的に過ぎるという問題は置いておくとして、「人間の前に姿を現した動物は殺す」という安直なやり方には、どうにも違和感がある。

熊の「駆除」(嫌な言葉だなあ・・・)を引き受けている「大日本猟友会」の本部の方がおっしゃるには、「クマがどれだけ危険なのか現実を分かっていない人が多い。人間の命がかかっているのに、クマはかわいいだとか、クマが可哀想だとか、もうガッカリを通り越して、参ったという感じ」。

麻酔銃を使って山に誘導するやり方は、どれも突然民家近くに現れた野生のクマに対しては机上の空論。大きなヒグマは160キロから200キロあるそうだから、生け捕りも容易ではないのだそうだ。麻酔銃や捕獲には結構な費用がかかる。だから手っ取り早く射殺してしまおうというのが、行政の本音のようにも思えるのだけれど。

まあね、自分の身に置き換えれば、いくら猫好きでも熊は別。我が家の庭にクマの親子が現われたら、暢気に「カワイイ」なんてとても言ってはいられないだろう。一刻も早く「なんとかして」(←具体策なし)と思うに違いない。でも目の前で射殺されるなんて絶対に嫌だし、ほんと、なにか良い方法はないものか。

そんなことを思っていたら、山梨県で活動している、「NPO山梨ツキノワグマレスキュー」なる組織が目に入った。放獣を専門に行う県内初のNPOで、自然保護団体や獣医師らが中心となって、市町村から依頼を受けて放獣を担う組織なのだそうだ。人里に戻らないよう、爆竹などで脅かして山に返すという。山梨県でも、昨年までは放獣するシステムがなかったので、県内のほとんどの熊は捕殺されていたらしい。

ところが、県内のツキノワグマの生息数は約400頭で、2005年の県のレッドデータブックでは、絶滅の可能性がある「要注目種」になってしまっている。そのため、2007年からはできる限り山に放すことに方向転換。自治体はクマが人里に降りてこないための対策を講じ、自然保護団体も殺処分をやめるよう陳情を繰り返すなど、山梨県は人と熊の共生に向けて、他の地域の一歩先を歩み始めているようだ。

「すぐに処分する現状ではツキノワグマが消えてしまう。放獣を増やし、人と共生できる環境をつくりたい」とは、先のNPOの代表者の方のお話しだが、そう、キーワードは「共生」。「かわいそう」という感情以前の問題として、「共生」の道を探るのが、地球上に棲息している多種多様な生物の、僅かひとつの種にしか過ぎない「人間」の取るべき道なのではないかと、つくづく思う。

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写真:明美は冬支度
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鈍行列車の「ちゅうちゅうとれいん」はいつも満員(ふ~っ…)!時々燃料切れを起こして更新が滞ることがありますが、どうぞ末永くおつきあいくださいネ。姉妹編の「あけみ参上つかまちゅり~」もよろしくお願い致します。

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桃之輔(momonosuke):1999年生まれ。甘えっ子ですが、ものすごく臆病で、ほとんど一日中、布団の中に隠れています。

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