正丸峠とペットショップ
2010年05月02日(日)
預かった犬や猫の遺体を正丸峠に遺棄していた事件の犯人が、廃棄物処理法違反罪とペットの火葬代金をだまし取った詐欺容疑で逮捕された。てっきり合同葬でのことかと思ったら、個別葬ということにして結構なお金を受け取り、次から次に遺棄していたらしい。最近では、月約60件の依頼があり、70~90万円の売り上げがあったという。いったいどれほどの数の犬猫たち遺棄されてしまったことか。
もしわが子がゴミのように棄てられ、冷たい雨に打たれながら土に還ってしまったことがわかったら、夜も眠れぬ苦しい日々を過ごすことになっていたに違いない。飼い主の方たちのショックは、想像以上のものだろうと思う。そんな中、被害に遭われた方たちが、「伴侶動物死体遺棄、被害者の会」(←HPがなぜか消えてしまいました。5月11日補足)を発足された。ブログを拝見すると、険しい山の中を滑り落ちそうになりながらの遺体回収作業。飼い主たちの悲壮な思いと、一匹でも多くの子を見つけ出してあげたいという熱い思いが伝わってきて、胸が痛む。遺棄されてしまったすべての子たちが、安らかに眠れる日がきますように・・・。
ついでに、ペットの葬儀の話でちょっと思い出したことを。寿々の葬儀をお願いした動物霊園で、そこの女主人がポロリとこんなことを言っていた。「ウチはいろんなところから依頼があるんだよ。ここの、合同で埋葬する墓地には、ペットショップ○○の子達も入っているんだから」と。ペットショップ○○というのは、近くのホームセンターのペット売り場のこと。ペット用品の売り場の奥には生体売り場があって、いつもたくさんのケージが積み上げられている。
女主人は、大きなホームセンターからも信頼されているほどの動物霊園だということを言いたかったようだけれど、その話を聞かされた私の頭を駆け巡ったのはそんなことではなくて、そのペットショップ、時々、バーゲンなんていうのもあって…もしかすると、売れ残った子たちはお店でこっそり処分しているということ?処分して動物霊園に運んできているの??それ以外考えられないじゃない、ということ。
自治体では、犬猫の引き取り費用の請求書に「ごみ引取処理料」と記載するのだそうだ。犬や猫はモノじゃないし、ましてゴミなんかであるはずがない。ニッポン、そろそろ動物に対する考え方を、根本的に変えなければならない時期がきているように思う。もっと動物に対して優しい国になれれば、人間に対してだってきっと優しい国になれるはず。「友愛」ネ。
ペットショップ○○では、それ以来一切ペット用品を買っていない。たった一人の不買運動。
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写真:にゃんだか、怖い世の中だにゃ~・・・
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動物愛護を謳うタレント候補
2010年05月11日(火)
参議院選挙に谷亮子が民主党から立候補すると聞いて目がテン。もういやんなっちゃう、「タレント議員」ばかり増やしてどうするんだろう…。しかも、どうしていまさら政治家??という人ばかり。参議院というのは『良識の府』のはずで、かつてはいわゆる「知識人」(←これも怪しい言葉だけれど)と言われる人たちが選ばれていたけれど、それが次第に様変わり。政治や文化に一家言あるとも思えないタレントが立候補するようになったのは、NHKのアナウンサーだった宮田輝が自民党から立候補、大量の票を獲得してトップ当選してからのことだったか?(違うかもしれませんので、鵜呑みにしないでね)
いまや政界は芸能プロダクション、いっそ「国会興行」とかなんとかに名前を変えたほうがいいのかもしれない。名前さえ知られていれば誰でもなれる「政治家(ヤ)」、成果なんてそもそも期待されていない「政治家(ヤ)」、政治家をそんな軽い職業にしてしまったのも、他ならぬ自民党だったのか。
で、今回の参議院選挙では、「自民党」は野球の石井浩郎、堀内恒夫、女優の三原じゅん子、タレントの田島みわ、「たちあがれ日本」は野球の中畑清、「国民新党」はプロレスラーの西村修、「民主党」はタレントの岡部まり、女優&歌手の岡崎由紀、落語家の桂きん枝、歌手の庄野真代、そして柔道の谷亮子。
やわらちゃんの知名度・好感度は抜群なのかもわからないけれど(スポーツが好きじゃないからあまり興味がない)、いくら金メダルを獲ったと言っても、それが政治とどうつながるのか不明、ご本人がどれほど政治に対する意識が高いかも不明。それでも大量の票が集まってしまうとしたら、政治家は国民を、国民は政治をバカにしているとしか思えない。
そんなこんなで、ブーブー思いつつ、ふとたどり着いたのが岡崎由紀の公式ホームページ。そこで岡崎由紀が訴えているのが、もっぱら「動物愛護」だと知ってびっくり。決意表明に書かれているのはこんな言葉…「アイドルとよばれた十代の頃から現在までの数十年間、女優の仕事だけでなく、動物の保護活動や地球環境の保全への活動を、微力ながら続けてきました。未来を担う子供たち、そして孫たちに、かけがいのない大切な「いのち」を慈(いつく)しむ心を、今こそしっかり伝えたい!そう強く思います。そのために国政に取り組む決心を致しました。」
そして、マニフェストの一番目に掲げているのが「15歳以下の子供たちの数を上回った国内のペットたち。もはや大事な家族の一員です。ペットだけではなく、動物の「いのち」や、その「いのち」を包み込む地球の環境を、人間の都合だけで左右する社会を変えてゆきます。」ということ。(そういえば、小沢一郎幹事長もワンちゃんが大好きで、子供と犬には好かれるって、どこかで読んだことがあったっけ・・・)
今だかつて、動物愛護を前面に掲げて立候補した政治家にはお目にかかっていない。人知れず、藤野真紀子が頑張っていたように思うけれど、残念ながら力不足。ただ動物愛護センターに足を運び、そこに収容されている子たちを待ち受ける残酷な運命に思いを馳せたところで、政治家として何をどうしたいのかが明確でないかぎり、その先、何の進展も望めない。
遅々として進まない行政の動物保護・動物愛護の姿勢、そして日本人の、動物との共存意識の未成熟。今回ばかりは岡崎由紀がタレントだということが、動物を愛する人たちにとっては朗報になるかもわからない。知名度を生かして日本の動物愛護の(悲惨な)現状を国民に訴え、行政や地域社会に働きかけてくれれば、何かしらの意識変革が望めるかもしれない。心配なのは、当選したら動物愛護?なにそれ?になってしまうこと。政治家はとかく二枚舌。
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写真:外猫のタゴとミーシャ。ご近所に迷惑をかけないようにできるだけのことはしているつもり。君たちの命は絶対に守ってあげるからね!
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加藤一二三氏「野良猫の餌やり」敗訴
2010年05月13日(木)
東京都三鷹市の集合住宅で野良猫への餌やりをしていたとして、将棋の加藤一二三氏に対し住民らが起こした訴訟の判決が、本日(5月13日)東京地裁立川支部で下され、加藤氏が敗訴してしまった。猫への餌やりの差し止めと、慰謝料など計約200万円の支払いが命じられている。
加藤氏は1993年ごろから野良猫に餌をやり始め、一時は10数匹になったという。その結果、ふん尿で異臭がしたり、駐車場の車が傷つけられたりしたとして、集合住宅の住民17人と管理組合が、野良猫への餌やりの差し止めと、慰謝料など約645万円の損害賠償を求めていたという。
市川正巳裁判長は「餌やりが動物愛護の精神に基づくことは理解できるが、被害が続いており、住民の受忍限度を超えている」と指摘したそうだ。当の加藤九段は「動物愛護の精神、地域猫の適正管理の見地から行ったもので違法性はない。自費で猫の去勢手術もしていた」と主張しており、現在は2匹の猫しかいないという。
どうにもやるせないニュース。どうして、これほどまでに人の心がギスギスしてしまったのだろう。この判決は、残念ながら今後の日本の動物愛護の進展に深い傷跡、汚点を残してしまったように思う。地域猫を定着させ、少しでも不幸な猫を減らしてゆこうと地道な努力を重ねてきた、そんな方たちにとっても多難な一歩となってしまった。この判決を盾に、猫を排斥しようとする住民の荒んだ心情が市民権を得て、どんどん正当化されてゆくことだろう。
判決というのはある種「ミズモノ」、裁判長の人柄次第でいくらでも変わってしまう。市川裁判長はおそらく猫が嫌いだったんだろうなあ。で、思いだすのが5~6年ぐらい前のこと。猫が大嫌いなオヤジさんが自治会長に就任したことがあって、この時には回覧板にしょっちゅう、「野良猫を捕獲する」といったことが書かれていて、その文字を見るたびに胸が痛み、閉口した。たまりかねて、自治会長直々に「弱い立場にある動物を地域から排除してそれでよしとすれば、後々人間の弱者排斥にもつながる」と強く抗議したが、その時の言い分がふるっていて、「フッ(と鼻で笑いながら)、私を人権の専門家と知っての発言ですかね」だと。
このお方、国家公務員で、国の「なんとか人権委員会」のお偉いさんなんだそうだ。「人権に携わっていながら、この程度のことしか考えられないのか」と言い返したけれど、裁判長とて人間、猫が嫌いとなればこんな判決しか出さない。で、裁判長さんよ~、餌やりを中止された猫たちには一体どうしろと?他の地域に流れて餌をもらえというのか、それとも餓死しろというのか。「命」をいったいどう考えての判決なの?
猫の一匹もその姿が見えない地域社会が、健全な地域社会と言えるのか。考えれば考えるほど、弱者に対してこの国そのものが冷酷になり、人々もまた同じ色に染まりはじめているように思えてならない。命あるものにはすべて生きる権利があり、生きられないものに対しては、必ずそれを助けようとするものがいる、そんな社会こそが健全な社会なのではないのか。手を差し伸べようとするものの手首を切る社会、そんな社会がまともなはずがないではないか。
外猫を飼っている私とて他人事ではない。いつ、地域住民から訴訟を起こされるとも限らない、そんなリスクを背負うことになってしまった。けれど、どんなことがあっても守り抜いてあげるしかない、それが「命」と関わったものの責任なんだもの。
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写真:奈々ちゃんは6年の外猫生活を送り、3年前に家猫に昇格。家に入れたばかりの時には出る出ると一日中窓を磨いていたけれど、今はのんびりまったり。他の外猫さんたちも室内飼いが一番安全なんだけれど・・・
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加藤一二三氏「猫の餌やり禁止」の判決文
2010年05月14日(金)
加藤一二三氏の敗訴に伴う判決理由要旨が、東京新聞(5月14日付)に掲載されていた。
以下が新聞に掲載されていた全文だが、これを読むかぎり、敗訴の主因は「区分所有法の適用があり、猫を含む動物の飼育を禁じる規約を有するタウンハウスにおける猫の飼育、または餌やりの問題」で、屋外での4匹の猫への餌やりは、住みかを提供する「飼育」であり、加藤氏が「飼っていた猫」が原告らに被害を及ぼしているのだから「動物飼育禁止条項」に違反している。だからその責任は問われてしかるべきだというのが、判決理由となったようだ。
加藤氏のお住まいの写真で見る限り、2~3匹ならともかくも、ここで10数匹の猫に餌を与えるのはさすがに無理だったと思う。田舎の一軒家で外猫の面倒をみるのでさえ身の細る思いという昨今、都会の集合住宅でたくさんの猫への餌やりをするというのは、暴挙でしかないのかもしれない。ただひとつ思うのは、加藤氏が避妊・去勢などに奮闘した結果、4匹にまで猫が減った今なら、地域住民了解の下で、その一生を見守ってあげることも決して不可能ではないのではないかということ。
予想以上に加藤氏への風当たりは強いようだが、加藤氏の行為を批判するだけでは、餌をやるなと言われた猫たちは救われない。なんとかして、今いる猫たちがその生存を脅かされずに生き抜くことができるよう、和解の道を探ることはできないものだろうか。判決が下された後では、もう無理なことなのか。原告となった住民とて、猫たちが餓死してゆくことに加担するのは、決して本位ではないと思うのだが。
それにしても、新聞は裁判結果をあまりにも大雑把に報道しすぎている。「野良猫への餌やり禁止、敗訴」という見出しは乱暴すぎて、これでは、そらみろ、野良猫に餌をやるのは迷惑なんだよと、猫嫌いがここぞとばかりに、餌やりさんや地域猫活動を実践しているボランティアの行為を否定し、攻撃することにもなりかねない。事実、そうした発言がネット上では展開しはじめているし、野良猫の捕獲、殺害にさえ言及するものも現れている。
この判決文の中で、裁判長が地域猫に言及していたことを見過ごしてしまえば、野良猫への餌やりの不当性だけが強調されてしまう。判決文は地域猫を否定してはおらず、地域猫として地域住民が管理した上での餌やりを否定したものでもない。「被告の行動が、動物愛護の精神に基づき、少しずつ地域猫活動の理念に沿うものになってきたこと、被害の程度が減少してきたことも併せ考慮すべきである。」という最後の文面にも注目すべきだろう。
判決は「敷地内」での餌やりを禁止するというものだったが、これ、餌やりの全面禁止を言い渡していないところが微妙で、「飼育の禁じられていない敷地外」で、地域猫としてその終生を見守ってはどうかという意図が含まれているのかもしれないと、ちょっと好意的に考えたり。そうだとしたら裁判長は大岡越前…だけれど、まっ、そんなこた、ありっこない。それなら、住民との合意形成に言及し、もう少し穏便な和解策を判決の中で提示していたはずだものね。
■東京新聞から転載■
<猫の飼育と猫の数>被告は、専有部分の屋内で白色の猫を飼育し、さらに本件土地上の屋外で、四匹の猫に対し、餌やりにとどまらず、専用庭等に段ボール箱等を用意してすみかを提供しているものであるから、これらを飼育しているものと認めるべきである。
<餌やり行為による被害>本件土地では、原告らが写真による記録化を始めた平成十九年十二月以降も、通路や専用庭に、被告が餌やりをしている猫によって数多くの糞(ふん)がされている状況にある。猫による放尿も推認される。原告らはハエがたかったり、異臭が洗濯物に付いたり、専用庭の芝が枯れたりの被害を受け、見つけた糞の始末を余儀なくされている。
餌やりに集まってきた猫が、ごみ袋を荒らし、生ごみを散乱させた。残った餌にカラスが集まり、騒音源になっている。猫が駐車車両の屋根などに上がり、傷が付くなどの被害が生じている。
抜け毛が吹きだまりに集まって不衛生な状態に。猫のうなり声がしたり、庭木や植木鉢等が壊されたりする被害が生じている。
<被告の行った対策>被告は平成十九年十一月から、専用庭や専有部分の北側玄関付近に、最大時で四個の猫用トイレを設置。現在は二個を専用庭に設置し、二日一回程度、砂を取り替えている。一日に数回、本件土地のパトロールをして発見した動物の糞を清掃。パトロールはある程度の効果はあると認められるが、原告らの専用庭での糞を減らすことはできない。
被告は、野良猫に餌やりをすればそれらの猫はその場所に居着いてしまうと知っていたが、猫への愛情と猫の命を大切にする気持ちから餌やりをした。周囲の迷惑を顧みず行動したものか否かの点は被告の主観によってではなく、被告の行動全体を見て客観的に判断すべき事項である。
<争点について>原告の管理組合の動物飼育禁止条項は、一律に動物飼育を禁止しているのではなく「他の居住者に迷惑を及ぼすおそれのある」動物を飼育しないことと定めているものではあるが、このような限定は、小鳥や金魚の飼育を許す趣旨は含むとしても、小型犬や猫の飼育を許す趣旨も含むとは認められない。
確かに、動物は家族の一員、人生のパートナーとしてますます重要となっている時代趨勢(すうせい)にあるが、他方、区分所有法の対象となるマンション等には、アレルギーを有する人も居住し、人と動物の共通感染症に対する配慮も必要な時代であるから、犬や猫の飼育を認めるようにすることは、規約の改正を通じて行われるべき。
したがって、白色の猫一匹の屋内飼育であっても、動物飼育禁止条項に違反すると認められる。屋外での四匹の猫への餌やりは、住みかを提供する飼育の域に達しており、それらの猫は原告らに被害を及ぼしているから、同条項に違反する。
本件に関心を持たれた方々の意見は、当裁判所が地域猫活動等について理解を深め、結論を考えるに当たって大変役立った。しかし本件の問題は、区分所有法の適用があり、猫を含む動物の飼育を禁じる規約を有するタウンハウスにおける猫の飼育、または餌やりの問題である。
最近の分譲マンションには、規約で犬や猫の飼育を認めるものと認めないものがあり、犬や猫を飼いたい人は飼育を認めるマンションを選び、苦手な人は飼育を認めないマンションを選ぶことで、飼う権利と避けて生活する権利との調整がされている。
そして現在の法秩序の下では、規約で猫等の飼育を認めなかったり、マンション敷地での野良猫に対する餌やりを禁止したりすることが公序良俗に反し無効であるなどと解することはできない。
被告の餌やり行為は受忍限度を超える違法なもので、原告への損害賠償義務がある。
慰謝料算定には原告らが受けた被害を十分考慮する必要がある。他方、被告の行動が、動物愛護の精神に基づき、少しずつ地域猫活動の理念に沿うものになってきたこと、被害の程度が減少してきたことも併せ考慮すべきである。
■転載ここまで■
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写真:明美ちゃんも、メタボ対策で餌やりを制限するか?
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動物にまつわる事件ばかり・・・
2010年05月23日(日)
次から次に、動物にまつわる忌まわしい報道が続く。正丸峠事件、世田谷の猫虐待事件、加藤一二三氏の猫えさやり敗訴事件。愛玩動物の扱いとは異なるものの、経済動物として、命を絶たれることを宿命に生まれた牛や豚たちは、人の命を生かすという役目を果たすことなく、日々土中に埋められ続けている。
見過ごしそうなほど小さな新聞記事だったけれど、皇居に現れたアライグマは捕獲されて殺処分されてしまったし、餌付けをして増やしておきながら、増えすぎた猿への餌やりは禁じられ、鹿は捕獲してその肉が売られる。その一方で、過剰なまでにトキは保護。生態系に手を突っ込み、すべてをこちらの都合に合わせるために命を操る人間の、なんという傲慢さ。人間こそが、自然界の中で最も凶悪な害獣なんだと、最近つくづく思う。
日本の場合(海外がどうなのかあまりよく知らないけれど)さらに問題なのは、動物に絡んだ事件が何回繰り返されても、上っ面だけの報道で終わってしまうということ。どれもこれも、今後同じような問題を繰り返さないために、人間は一体何をすれば良いのか、他の生物との共存・共生をどう考えれば良いのかという、突っ込んだ問題提起もないままに、「ニュース(news)」はたちまち「オールドズ(olds)」になって人々の記憶から消え去ってしまう。
正丸峠事件もそのひとつ。『伴侶動物死体遺棄、被害者の会』の公式ブログを拝見すると、まだまだ事件解決への道は遠いようで、多くのボランティアの方たちが亡骸の収集に奔走されている。その後の様子についてはひらベラさんが書かれている『ひらベラ日記』(5月15日~17日前後)に詳しいが、想像以上に悪質な事件だったようで、遺棄された子達はたいへんな数にのぼるらしい。
ひらベラさん、ブログの中で「日本の法律!!現場で皆が今までしてきた事と同じ作業をしてみろ!!それでも、この子達を不法投棄された、ただのゴミだと言えるのか!?本当に本気で法の改正を考えている政治家がいるなら1度でも、この沢に足を踏み入れてみろ!!」という怒りをぶつけられていらっしゃるが、たしかに、こんな問題が起きる根底には、日本という国の、動物愛護に対する未熟な認識と政策が関与しているのだと思う。
加藤一二三氏の敗訴にせよ、人間の命以外は二の次というこの国。「命」の剥奪を平然と主張し、その声が圧勝してしまうというこの国。もしこのままずっと、動物愛護のマットウな法制定が蔑ろにされるなら、この国はいずれ「亡国」。田中正造の言葉を借りれば、「亡国を知らざれば、これ即ち亡国。動物を殺すは国家を殺すなり。動物愛護の法を蔑ろにするは国家を蔑ろにするなり」ってな具合。
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写真:にゃ三郎と小牧。我が家は細々ながら動物愛護に励んでいます。
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麻酔は怖い
2010年05月31日(月)
先々週の月曜日ごろから桃之輔、口の中がかなり痛いらしく、食事がまったく摂れなくなってしまった。それ以前にも時々、痛そうな様子を見せてはいたことがあったけれど、モモももう11歳、歯が抜けそうで痛いのかもぐらいに思って、やり過ごしていた。ところが金曜日あたりから、一口食事を口に入れた途端、口の中をひっかくような仕草を見せてビュンと2階に逃げてそれきり。
福太郎の時も寿々の時も、口を痛そうにしているからと病院に連れていき、そのまま容態が悪化して悲しい結末を迎えているので、病院に連れて行く決心がつかない。でも、このまま食事をしなければ早晩体力を失ってしまうだろう。意を決して病院に行くことにした。口の中を診た獣医さん、ステロイドを一ヶ月以上使えば糖尿病を発症することもあるし、これは手術をして奥歯を抜いてしまうのが一番の方法ですと言う。
心配だったのは全身麻酔。この年齢で全身麻酔をしても大丈夫ですか?と質問すると、年齢は関係ありませんと自信たっぷり。あれっ?ついこの間の美意子の抜歯の時には、麻酔は怖いので鎮静剤にしましょうって言ったばかりじゃない。なんだかなあと思いつつ、後は運任せということにして、翌日の昼、改めて手術のために病院にモモを連れて行った。ただし、ものすごく臆病な子なので入院はとても無理、夕方、麻酔が覚めた段階で連れ帰る約束をした。
麻酔が覚めたという電話を頂いて、連れ帰ったのが午後6時ごろ。帰宅すると、モモは怖くて怖くてたまらないらしく、ケージから出ると、まだ麻酔が抜けていないらしい後ろ足をからませながら、全力疾走で二階に上り、また二階から降りてくる。足がまともに動いていないから、降りてくるというよりは落ちてくるといったふうで、怖くて見ていられない。
このままでは危険だし、手術をしたばかりの体に負担をかけるわけにはいかないからと、大型のケージを組み立てて中に入れたら、今度はケージが怖くて大パニック、保護したばかりの野良猫状態になってしまった。仕方なくケージから出すと、普段入っているカゴに飛び込んでいった・・・までは良かったが、カゴの中に入った途端、瞳孔が開いたまま意識がなくなり、倒れてこんでしまった。体温も低い。モモ、モモ、だめよ、死んじゃだめなんだからね!と叫びながら体をゆすっても反応がない。
大慌てで獣医さんの携帯に電話をすると、本当は3日から1週間は入院してもらって経過を見る必要があったので、もし異変があったら(って、もう異変だと思うんだけど)今、遠くにいるけれど、夜中でもすぐに帰って診るようにしますから連絡をください、と。
こうなったらネット、ネット。モモを傍らにその様子を見ながら、麻酔について調べてみると、麻酔が覚めずにあわてた飼い主の話がワンサカ。3日間意識が戻らなかった話や、意識は戻ったものの脳に障害が残ってしまったという話、挙句、意識が戻らずに死んでしまったというケースまであって、果たしてモモはどうなるのかと。
暗澹たる気持ちになりながら、それでもなんとか気持ちを奮い立たせ、夜中の3時ごろに、モモちゃん、がんばって生きるのよと、口元にモモの大好物のお刺身を持ってゆくと、真っ赤な舌を出してペロっと舐める。よっしゃ、これで生還だ!…けれど、モモが元のモモに戻ったのはそれから1週間以上経ってから。
その間、反応は鈍く、ここはどこなんだろう?と、そんな顔つきのまま家の中をうろついていた。そんなモモを不審に思ってなのか、明美がモモにむかってウゥウーと唸る。福太郎でも背後にいたかしら?今はもうすっかり口の痛みはなくなったらしく、パクパクと食事をしているけれど、以前のモモより若干口数が少ないのが気にかかる。麻酔は怖い。もう、よほどのことがない限り、麻酔の必要な手術はお断り。
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写真:長毛の子をトリミングする時には麻酔をすることが多いのだとか。里音はやっとブラシをかけさせてくれる子になったので、せっせとブラッシング。麻酔なんてとんでもない!
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プロフィール
鈍行列車の「ちゅうちゅうとれいん」はいつも満員(ふ~っ…)!時々燃料切れを起こして更新が滞ることがありますが、どうぞ末永くおつきあいくださいネ。姉妹編の「あけみ参上つかまちゅり~」もよろしくお願い致します。
Cast

樹里絵(jyurie):1998年生まれ。マイペースで世話が焼けません。性格温厚で超パパっ子。

桃之輔(momonosuke):1999年生まれ。甘えっ子ですが、ものすごく臆病で、ほとんど一日中、布団の中に隠れています。

亜依子(aiko):2000年生まれ。自己主張が強くて偏屈ですが、そこがまた可愛いいんだなあ。超ママっ子です。

真美(mami):2005年生まれ。外見はタヌキそのもの、性格は犬そのものです。才気煥発で気性が激しい。

美意子(miiko):2005年生まれ? 歯を見ると6、7歳…本当は何歳だろう?一日中、文句たらたら言っています。

奈々(nana):2001年生まれ。ようやくノラっぽさもなくなり、明るい陽気な子になりました。
明美(akemi)にゃ三郎(nyasaburou)、小牧(komaki):2007年生まれ。仲良し3兄弟。毎日楽しそうに暮らしています。

里音(satone):2009年8月保護。どんな生い立ちでどんなニャン生を過ごしてきたのか、それは謎です。未来を生きる猫!

寿々(suzu):1994年12月~2010年3月12日。パパの仕事部屋に入れた唯一の子。人の気持ちがよくわかる、とてもとても頭の良い子でした。

福太郎(fukutarou):1997年4月~2008年3月20日。陽気で甘えっ子。抱っこされるのが大好きでした。お母さん代わりだった寿々との再会、「欣喜猫躍」していることでしょう。
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