ピンクオバサン
2010年03月30日(火)
寿々の病気の経緯をたどるのは思いのほか気が重くなる作業で、ひとつひとつの場面を思い出しては、あの時ああすれば良かった、この時こうすれば良かったの連続。読んでくださっている方も、なんだか暗いブログねえと思われているに違いない。で「閑話休題」…といっても話題がまったくかけ離れているわけではなく、だからそれほど明るい内容でもないのだけれど、どことなく滑稽な出来事。
寿々が天に召された翌日のこと。寿々の亡骸を伴って、自宅から車で30分ほどのところにある、とある動物霊園に行った。今まで利用していたところがどうにもお粗末な施設だったので、もう少しマシな所はないものかとネットで調べていたら、写真に写るその霊園、庭もなかなかゴージャスだし、お彼岸の時などかなりの賑わいを見せているようで、これなら大丈夫かもと、現場も見ずに予約をしてしまった。
行ってみると、そこは個人の敷地の中にある動物霊園。個人の表札がかかっている大きな門から中に入ると邸宅があり、その横に駐車場。霊園は奥の方にあるようだったので、車を止めて小高い丘を登り、それらしい建物の前で、あらかじめ連絡を取っておいた女主人を探した。個人宅といっても何万坪もあるらしい敷地、人の姿なんてどこにも見当たらない。後で女主人に伺うところによれば、庭の中に東京電力の電柱が12本(あれ?24本だっけ?)立っていると言う。庭に電柱。
で、それらしい建物というのが当の動物霊園の「事務所」で、それがなんとも、言葉には言い表せないほどの乱雑ぶり。床には青だのピンクだのの毛布(絨毯じゃなくて毛布)が敷き詰められていて、公園の隅に立ち並ぶダンボールハウスといいとこ勝負なんだもの。おまけに庭園に鳴り響く「童謡」は音量がバカでかく、木々にクギで打ち付けられている看板には、亡き飼い犬・亡き飼い猫を偲ぶ俳句が書かれているのだけれど、夫が言うには、俳句というより演歌の歌詞だよね。
魔界に潜り込んでしまったような光景にうろたえていたら、突然、ピンクの上下のジャージに身を包み、足にはピンクのスニーカー、頭には、これまたピンクの大きなリボンをつけた、60歳を優に越えていると思しきオバサンが現れた。「こっちこっち!」と、辺りに響き渡る大声で私たちを呼ぶ。この人???そう、一風も二風も変わったこの人が女主人。「いい音楽かかってるでしょ、センスがいいいんだよ、ここはさ」だって。寿々を連れて早々に逃げ出す体勢を整え始めたものの、オバサンの迫力に負けて帰るに帰れない。
オバサンがちょっと姿を消したスキに、寿々の頭を撫ぜながら「寿々ごめん、すごいカルチャーショックだよね。ほんとうにごめんね、ママたちもびっくりしてるのよ」と。「シッ、聞こえてるよオバサンに」と夫が私を制するけれど、でも、当の夫は私よりカルチャーショックを受けているらしく、言葉数がいつもよりずっと少ない。
儀式もどことなく異様で、オバサンはもしかすると「魔女」なのかもしれないと思ったり。支払いを済ませて帰ろうとするとオバサン、「あんたら~、このまま帰っちゃだめなんだよ。下に○○ちゃんて犬がいるからさ、お座りさせて、ご褒美にこのビーフジャーキーをあげて、頭撫でてから帰るんだよ。あの子と仲良くなってから帰んな~」。大きなお屋敷のウッドデッキにつながれている、これまた見事なピレネー犬に挨拶をしてから帰れと言うのだ。
夫は大きな犬が苦手、ジャーキーを手にこわごわ「お座り、お座り!」を繰り返すのだけれど、賢い犬はへっぴり腰の夫の言うことなんて聞きやしない。元犬遣いだった私が後を引き受け、難なくお座りとお手をさせ、ご褒美にジャーキーをたんまりあげてようやく帰路に着くことができた。
この28日にはお彼岸供養があって、お塔婆を頼んであったのでとりあえず出かけはしたものの、1時間かかるという法要はすっぽかし、ほうほうの体で逃げ出してきてしまった。でもこのオバサン、どこか憎めない。それどころか人望があるらしく、当日は大勢のボランティアと参拝客で大変な賑わいだった。
なんとも妙な経験をしてしまったけれど、一番驚いていたのは寿々だったかも・・・。
---------------------------
(写真):我が家のオバサン猫、美意子(みいこ)。
ピンクの首輪をしているけれど許容範囲。
---------------------------
一週間の入院 | TOP | 動物の虐待と保護、アメリカVS日本
プロフィール
鈍行列車の「ちゅうちゅうとれいん」はいつも満員(ふ~っ…)!時々燃料切れを起こして更新が滞ることがありますが、どうぞ末永くおつきあいくださいネ。姉妹編の「あけみ参上つかまちゅり~」もよろしくお願い致します。
Cast

樹里絵(jyurie):1998年生まれ。マイペースで世話が焼けません。性格温厚で超パパっ子。

桃之輔(momonosuke):1999年生まれ。甘えっ子ですが、ものすごく臆病で、ほとんど一日中、布団の中に隠れています。

亜依子(aiko):2000年生まれ。自己主張が強くて偏屈ですが、そこがまた可愛いいんだなあ。超ママっ子です。

真美(mami):2005年生まれ。外見はタヌキそのもの、性格は犬そのものです。才気煥発で気性が激しい。

美意子(miiko):2005年生まれ? 歯を見ると6、7歳…本当は何歳だろう?一日中、文句たらたら言っています。

奈々(nana):2001年生まれ。ようやくノラっぽさもなくなり、明るい陽気な子になりました。
明美(akemi)にゃ三郎(nyasaburou)、小牧(komaki):2007年生まれ。仲良し3兄弟。毎日楽しそうに暮らしています。

里音(satone):2009年8月保護。どんな生い立ちでどんなニャン生を過ごしてきたのか、それは謎です。未来を生きる猫!

寿々(suzu):1994年12月~2010年3月12日。パパの仕事部屋に入れた唯一の子。人の気持ちがよくわかる、とてもとても頭の良い子でした。

福太郎(fukutarou):1997年4月~2008年3月20日。陽気で甘えっ子。抱っこされるのが大好きでした。お母さん代わりだった寿々との再会、「欣喜猫躍」していることでしょう。
月別記事
- 2012年01月(1)
- 2011年12月(2)
- 2011年11月(1)
- 2011年10月(2)
- 2011年09月(2)
- 2011年07月(2)
- 2011年06月(1)
- 2011年05月(1)
- 2011年04月(2)
- 2011年03月(5)
- 2011年02月(6)
- 2011年01月(7)
- 2010年12月(3)
- 2010年11月(5)
- 2010年10月(7)
- 2010年09月(5)
- 2010年08月(4)
- 2010年07月(4)
- 2010年06月(4)
- 2010年05月(6)
- 2010年04月(6)
- 2010年03月(6)
- 2010年02月(1)
- 2010年01月(4)
- 2009年12月(1)
- 2009年11月(1)
- 2009年10月(1)
- 2009年09月(4)
- 2009年08月(2)
- 2009年07月(5)
- 2009年06月(3)
- 2009年05月(3)
- 2009年04月(6)
- 2009年03月(4)
- 2008年12月(1)
- 2008年11月(3)
- 2008年10月(2)
- 2008年09月(10)
- 2008年08月(9)
- 2008年07月(4)
- 2008年06月(4)
- 2008年05月(4)
- 2008年04月(5)
- 2008年03月(4)
- 2008年02月(2)
- 2008年01月(3)
- 2007年12月(6)
- 2007年11月(7)
- 2007年10月(2)
- 2007年09月(11)
- 2007年08月(6)
- 2007年07月(14)
- 2007年06月(13)
- 2007年05月(18)
カテゴリー
最近の記事
検索
ブックマーク
♪猫さんブログ♪
- やまだのお部屋
- 星降るベランダ
- 白いしっぽ 2
- 猫と千夏とエトセトラ
- 月見のお宿
- チョい悪101☆ドンとこい迷い猫
- gomakina&azutama
- 時には淑女のように
- 猫ときどきお茶ですよー
- まんぼうの見上げる空

コメント一覧(2)
ピンクオバサンって昔、お金持ちのお婆さんでいましたね。
う~~~ん・・・名前が出来きません(私もオバサンなので)
その方と繋がりでもある方なのでしょうか?
私は葬儀は霊園でしてもらいましたが、
家に連れて帰って来て、家にいます。
なかちゃん | 2010年03月30日 23:26
なかちゃんさん
ピンクオバサン・・・???
私も記憶の底から引っ張り出せません。
私も(ドのつく)オバサンなものですから(笑)
みなさん、
家に持ち帰られて大切にされていらっしゃるようですね。
寿々も1年だけ預けて、家に連れ帰ってくるつもりでいます。
まだ思い出すのがとても辛いので、
冷静に考えられるようになってからにしようと思っています。
1年ぐらいでは無理かもわかりませんが・・・。
ジュリママ | 2010年03月31日 22:59