猫の母も辛いわね
2008年06月01日(日)
ここのところの寝不足と急激な気温の変動に体が追いつかず、ついに寝込んでしまった。そうはいっても猫10匹、夫にその世話を全部任せることなど到底できず、動かない体を無理矢理動かしてはどっとベットに倒れる・・・の繰り返し。
なにしろ十ニャん十色、缶詰の好みからドライフードの好みまで全員違う。この子にはこの缶詰、この子にはこのドライフード、しかも食事場所にも注文があって、この子はテーブルの上、この子はリビングの中央、この子はキッチンの隅。さらに、並んで食事をするのはどの子とどの子という決まりまである。
おまけにムメモちゃんは自力では食事がとれないから、煮てあげた鶏肉を一口ずつ口に運んであげなくちゃならない。鶏肉は千切ってあげるのだけれど、一切れずつ適切な大きさに切り、しかもどういう角度で口に入れるか熟練が必要。機嫌を損ねればプイとよそを向き、そのままどこかに行ってしまう。
「人間」の母親が、こどもがいると寝込むこともできないと話したりするのを聞いて、大変ねえと同情していたが、今回の我が家はまさにそれ。この子たちを残して死ねないわ、という気持ちまでしっかり味わったりして。それでもどうにも辛い体だから、猫の世話以外にはベットで横になっているしかない。
小さい頃は虚弱なタイプで、しょっちゅう熱を出しては寝込んでいた。風邪をひけば学校を休み、一日中布団の中で本を読んでいられたから、むしろ風邪を歓迎していたようなところもあったのだけれど、最近は、ベットで本を読むには活字が小さかったり暗かったりと、不自由なことばかり。つい億劫になってしまう。
だから今回も、本を読むより横になってCSで映画三昧という安楽な道を選ぶことにした。観たいと思いつつ観そびれてしまった『戦場のピアニスト』、意図せず『愛と精霊の家』と日本映画で『悪党』(谷崎潤一郎原作『顔世』、監督は新藤兼人)。おまけは演劇で、花組芝居の『怪誕身毒丸』。風邪引きにしてはハード。
『戦場のピアニスト』はカンヌ映画祭でパルムドールを受賞するなど、世界的な評価を得ている映画作品だが、評判に違わずこれはすばらしかった。原作はユダヤ系ポーランド人のピアニストウワディスワフ・シュピルマンの書いた『The Pianist(The extraordinary story of one man's survival in Warsaw, 1939-1945)』。監督のポランスキーもまたポーランド系ユダヤ人の父親の元に生まれ、母親をアウシュビッツで虐殺された体験を持つ。
ナチス・ドイツのポーランド侵攻から始まるこの映画は、観ている自分も、ゲットーの中で暮らすユダヤ人なのではないかと、そんな錯覚に陥るほど現実味溢れたものだった。狂気の政治を支える人々と、その狂気によっていとも簡単に命を奪われてゆくフツウの人々。この映画で一番心に残った言葉が、シュピルマンがナチスの蛮行に対して呟く「stupid!」だったというのは、私の英語力不足のせいか。
ナチスについての本はすでに何冊か読んでいたが、この映画を観てさらなる本を探したくなり、まだだるい体を抱えて本屋に行って買ってきたのが『ヒトラー・マネー』。これは2007年に公開された映画、『ヒトラーの贋札』の原作で、ザクセンハウゼン強制収容所が舞台。ユダヤ系の印刷技術者を集めて精密なポンド紙幣を偽造し、イギリスの経済を意図的にインフレに陥れようとした、ナチスによる国際通貨戦争を描いたもの。これまたすごい迫力で、一挙に読んでしまった。
そして今日、ここ数日のナチスの日々の〆となるべくものを我が家のトイレで発見。トイレはしばしば通う馴染みの場所、だから、毎年好きな画家のカレンダーを掛けることにしていて、今年はミュシャ。いつもは特に気にもせず眺めていた絵だが、今日はなんだか気にかかる。そうかあ、ミュシャはチェコスロバキア共和国の画家。
1939年、チェコスロバキア共和国はナチスによって解体されたが、ミュシャもまた、その描く絵が「国民の愛国心を刺激する」としてドイツ軍に逮捕されている。釈放はされたものの、そのわずか数ヵ月後に還らぬ人となってしまったミュシャ。遠因となったのはナチスの執拗な尋問。ミュシャもまたナチスの犠牲者だったというわけか。
ただでさえ体がだるいというのに、何を好き好んでか重いテーマを選んで過ごした数日。布団の上の猫たちも重かったしなあ・・・って、これは「重い」違い。
写真:(上)ママのことが大好きなサビちゃん。この写真の顔つきどおり、とっても気難しいので夫の手には負えない。(左)ムメモちゃんのお世話はとにかく大変!大変なところがまた可愛いと思ったりして。右に見えるしっぽはムメちゃんのではありません、誰のだろう??
元気になると・・・
2008年06月07日(土)
きょうは爽やかな一日となりました。我が家は自然に囲まれた田舎にありますから、こんな日はウグイスの美声が竹やぶ(竹やぶ兄弟生誕の地)の中から響き渡り、耳を澄ませればヒバリの鳴き声を聞くこともできます。
こんなのどかな暮らしもなかなかのものではありますが、時に、都会の喧騒の中に身を置きたくなる自分がいます。人ごみの中で「異邦人」の孤独を味わいたい・・・元気になると、たちまちそんな天邪鬼な心境になります。
鬼の霍乱と思しき体調不良もようやく復調、元気になりました。いろいろとご心配を頂きありがとうございました。
写真:(左)ムメちゃんの夏向け刈り込み途中でノックダウン。やってあげなくちゃ・・・。(左)あけみちゃんはいい子だった?
虎視眈々
2008年06月08日(日)
(とんでも首相候補の)中川秀直氏が民主党の前原誠司副代表らとともに、たばこ税率の大幅引き上げを目指す超党派議連を発足させるそうだ。超党派というけれど、前原氏のどこが民主党なのか普段から理解不能、誰がどうみたって隠れ自民党、だから「超党」とは名ばかりだと思うのだけれど、まあその問題は脇に置いておくとして。
そもそもの発端は、日本船舶振興会(通称・日本財団)会長の笹川陽平氏による産経新聞『正論』(3月4日付)での提案。国家の財政赤字が800兆円(「日本の借金時計」によれば、今日の段階で赤字額は約897兆円)まで膨らんでいることの打開策として、消費税の増税よりタバコ一箱を1000円にしてはどうかという話。
消費税を引き上げればそれによって見込まれる税収増は約2兆4000億円。一方、たばこを欧米並みの1箱1000円に値上げすればその税収増は9兆5000億円。消費税よりも俄然効率がいいし、これを契機に禁煙者も増えるから健康にもいい。得た財源を社会保障関連の財源として活用すればいいという論の展開。
笹川氏は超党派の国会議員で作る「禁煙推進議員連盟」(綿貫民輔会長)のメンバーに文書で協力を依頼したそうだ。「国会が主導して国民によく見える議論を進めれば、国会に対する信頼回復にもつながると確信する」と笹川氏は結ぶ(日本財団会長 笹川陽平ブログ)。
はて…あたかも国民の意見を代表したかのような口ぶりだが、ロックフェラー財団でもあるまいに、この御仁に政治を動かすほどの発言力などあったかしら?いつ国民がそんな要望を託したのか?もとより公益法人の会長にそんな権限などあろうはずはなく、むしろあってはならない話だと思うのだけれど。
我が家はタバコが大の苦手だが、今回のタバコの値上げについてはまったく賛同できない。なによりも疑問視しているのは、一財団の会長の発言で、なぜ政治家がこうも簡単に動くのかということ。きわめて重大な税の問題が、民意もへったくれもありゃァしない、いっちょやったりましょう程度の相槌でコトが運んでいるという苛立たしさ。
中川氏がタバコ税に関して積極的に動く背景に、日本船舶振興会との絡みがあることは明白。健康のためだと言うのなら、へビースモーカー氏が動くのは不自然だし、消費税問題の解決だと言うにしては、禁煙者が増加することで激減するだろうタバコの売り上げ、それでもなお消費税に見合う税収が見込めるのかどうかといった試算も厳密には示されていないというズサンさ。
想像の範囲を超えないことを言うのは論理的ではないし、批判としても適切ではないが、中川氏の背景にどんな利権が絡んでいるのかしら、そして誰が高笑いするのかしらと、この話題を目にするたびに、まるで推理小説を読んでいるような心境になってくる。タバコの煙の中に隠れて見えない・・・という歌があったけれど、タバコを使って見せたくないものをケムに巻くという手もあったか。
「タバコを吸う人がいなくなるから賛成」などというブログやコメントを目にするが、コトの本質はもっと深いところにあるはず。今や(いや、昔から)政治家のやることの裏には必ず何かがあると疑ってかかったほうがいい。政治家の「嘘」を信じて最後に苦しむのは庶民だということを、常に肝に銘じておいたほうがいい。
財務省が消費税のアップを虎視眈々と狙っていると笹川氏は語るが、消費税upを牽制するなどという中川氏の弁も単なる甘言、信じるのは蟻ぐらいなもの。タバコの税収が頭打ちになった時、ゾウに踏み潰されるのがオチ。
写真:(上)おんどりゃ~っ!(特に意味はありません)(左):増税?見ないふりの狸寝入り。
お利口そうでもやっぱり猫・・・
2008年06月11日(水)
庭の片隅に埋めた枇杷の種、いつ植えたのかも忘れてしまっていたというのに健気に芽を出し、果実までつけてくれました。青かったその実も日に日に黄色くなり、ついに収穫することができました。感動!!といっても、とりあえず3つだけ・・・。甘さは少し足りないものの、まあまあの味でした。
収穫の喜びを一緒に共有できそうなあけみに真っ先に見せたのですが、枇杷=黄色いボールで、どうやら一個だけ転がったと思ったみたい。幼稚園にもまだ行っていないし、やっぱり数は数えられない?
最初も「いち、にい、さん」、最後も「いち、にい、さん」・・・だと思うのですが、当の猫は、絶対にひとつ転がっていると確信しているようです。にゃあちゃんもミイちゃんもさっさとどこかに行ってしまったというのに・・・。
プロフィール
ジュリママと猫たちを乗せて走る鈍行列車のちゅうちゅうとれいん。車窓から見える風景を、気ままに書き綴るブログです。あけみちゃんの絵日記、『あけみ参上つかまちゅりーっ!』もどうぞよろしく。どちらもボチボチの更新ですが、末永くおつきあい頂ければ嬉しく思います。
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