拾う神・・・に期待して
2008年05月12日(月)
ちょうど一週間前の5月5日、千葉県佐倉市にある川村記念美術館に行った。しばらく仕事が立て込み、精神的な余裕をすっかり失ってしまっていたから、どこかほっとする場所に行きたかった。美術館も人でいっぱいかしらと心配したが、子供の日だからきっとみんなはディズニーランドと勝手に決め、出かけることにした。
どんな展覧会をやっているのかと、出かける前にネットで調べたが、メンテナンス中だったのかアクセスすることができず、結局行き当たりバッタリ。運良く「マティスとボナール ―地中海の光の中へー」という企画展が開催されていて、ボナールはそれほどでもないが、マティスは、まあ好きな作家だったからラッキー。
企画展もなかなかだったが、川村記念美術館の常設展はすごい。今回はリニューアルされたこともあって、以前にも増してたくさんの作品が展示されていた。この美術館、もともとは大日本印刷が設立したもの。2代目社長が蒐集したというピカソやブラック、そしてカンディンスキー、3代目社長が蒐集したロスコの壁画作品、他にもレンブラントだの横山大観だの、1000点もの作品を所有しているというから驚く。
ルノワールの<水浴をする女>、モネの<睡蓮>、ローランサンの<ピクニック>、レンブラントの<広つば帽を被った男>、マグリットにポロックにシャガールに藤田嗣治に尾形光琳…と、誰もが知っているような名画ばかり。思い出すだけでもクラクラする。展示室ひとつで総額いくらの絵が掛けられているのかしらと、貧乏根性まる出し。それにしても、企業ってどうしてこうも儲かるのかしらと、次にはねたみ根性まで。
それでも、蒐集した作品を一般向けに公開しているのだから企業の姿勢としてはまずまず。バブルの頃といえば絵は投資の対象。だから、世界的に価値のある作品を会社で購入したものの、値段が高騰するまで風呂敷を被せて社長室の金庫…かどうかはわからないけれど、芸術の社会的貢献なんてことは完全に無視されていた。今も内実はそう変わっていないのかもわからないが。
たくさんの名画を堪能した後は、9万坪という広大な庭園にある自然散策路を、ゆったりとした気分で散策する。ゴルフ場を思わせるような整然とした景色はあまり好きになれないが、池には白鳥やマガモがいて楽しませてくれる。
ところが、今回は思いもかけないことから憂鬱な気分を引きずることになってしまった。祝日で人が多いということもあるからなのだろう、いつもは見かけないおじさんが庭園内の案内をしている。ロープが張られていて、「はい、そちらは行けませんよ~」とか。その足元に白地に茶ぶちの猫がいる。
写真に撮ろうと近づくと、この子、それはそれは人馴れしていて愛想がよく、駆け寄ってきてスリスリ、膝にまで登ってきてしまう。おじさんが側で私に声をかけた。その猫、家に連れていってあげてくれませんかネエ…。「今は無理だわ」とつぶやくと、おじさん、来る人来る人に同じことを言っている。たぶん捨てられたんですよ、かわいそうだから、ねえ家に連れていってくれませんか・・・と。
連れていってあげたいのはやまやまだったけれど、見ず知らずの大人猫を家の中に入れればどうなるか。フクは、ココとミイちゃんを家に入れたストレスで死んでしまったに違いない、もともとの5匹で平和に暮らしていれば長生きできたのにと、それはそれは後悔しているから、連れて帰る勇気がない。
誰か連れていってくれないものかしらと、後を振り返り振り返りしたが、どの人も頭を撫ぜはするものの、おじさんの言葉には首を横に振っている。未だに、とにもかくにも連れてきてしまって、里親を探してあげればよかったのかしらと、あの子の暖かい体温を思い出しては心が重くなる。どうか、どなたか心優しい人に拾われていますように。
写真:(上)川村美術館の池で過ごすマガモ。夫の第一声は「あっ、デコイ!」・・・我が家のトイレにはマガモのデコイが。(下)件の茶白君。ああ心が痛む。ごめんね、連れてきてあげないで。マガモのように、羽根があれば飛んでこられるのにね。
プロフィール
鈍行列車の「ちゅうちゅうとれいん」はいつも満員(ふ~っ…)!時々燃料切れを起こして更新が滞ることがありますが、どうぞ末永くおつきあいくださいネ。姉妹編の「あけみ参上つかまちゅり~」もよろしくお願い致します。
Cast

樹里絵(jyurie):1998年生まれ。マイペースで世話が焼けません。性格温厚で超パパっ子。

桃之輔(momonosuke):1999年生まれ。甘えっ子ですが、ものすごく臆病で、ほとんど一日中、布団の中に隠れています。

亜依子(aiko):2000年生まれ。自己主張が強くて偏屈ですが、そこがまた可愛いいんだなあ。超ママっ子です。

真美(mami):2005年生まれ。外見はタヌキそのもの、性格は犬そのものです。才気煥発で気性が激しい。

美意子(miiko):2005年生まれ? 歯を見ると6、7歳…本当は何歳だろう?一日中、文句たらたら言っています。

奈々(nana):2001年生まれ。ようやくノラっぽさもなくなり、明るい陽気な子になりました。
明美(akemi)にゃ三郎(nyasaburou)、小牧(komaki):2007年生まれ。仲良し3兄弟。毎日楽しそうに暮らしています。

里音(satone):2009年8月保護。どんな生い立ちでどんなニャン生を過ごしてきたのか、それは謎です。未来を生きる猫!

寿々(suzu):1994年12月~2010年3月12日。パパの仕事部屋に入れた唯一の子。人の気持ちがよくわかる、とてもとても頭の良い子でした。

福太郎(fukutarou):1997年4月~2008年3月20日。陽気で甘えっ子。抱っこされるのが大好きでした。お母さん代わりだった寿々との再会、「欣喜猫躍」していることでしょう。
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コメント一覧(2)
昨年川村美術館改装中に、ここのコレクションが神戸にやってきて、私も鑑賞しました。ルノアールの少女の輝き、レンブラントの七夕夫、懐かしいです。
茶白ブチネコさん、きっと、きっと、絵と猫の好きな、誰かのもとに、ひきとられていますように。おじさんが、ネコ好きでありますように。
ラミーチョコ | 2008年05月13日 20:37
ラミーチョコさん
わあ、ラミーチョコさんもご覧になられていたのですか?
あれだけの名画をよくぞ蒐集したものだと感心してしまいます。
私はラミーチョコさんのように、
ロマンティックに、そしてまるで美術館の中で一緒に
鑑賞しているかのようには作品を語ることができず、
なんだかお恥ずかしいのですが・・・^^;
(ラミーチョコさんの「美術館めぐり」の大ファンなんですよ)
猫ちゃん、
今頃どこかの誰かの膝の上で
ぬくぬくしていてくれるといいいのですが。
この寒空。。。お腹をすかしてはいまいか、
寒くはないかと心配です。
ジュリママ | 2008年05月14日 12:54