うれしい出来事
2008年04月30日(水)
数日前、久しぶりにご近所の奥様2人とランチに出かけた。書が趣味というお二人、書のいろいろなお話を伺うのが楽しく、大抵同道させて頂く。
猫仲間というわけではないのだけれど、一人は、前の飼い主が高齢のために飼えなくなったという、12歳になるポメラニアンを引き取って飼っている。動物は好きだったものの飼ったことはなく、飼ってみてそのかわいらしさの虜になってしまったヒト。今では我が子も同然、買い物に置いてゆくだけでも気が気ではなく、そそくさと帰ってくるのだとか。
ポメちゃんを飼うまでは、庭に入ってくるノラ猫を追い払っていた。けれど、ポメちゃんが来てからというもの、猫を追う気にはとてもなれず、それどころか、「猫ちゃん」と声をかけてしまうようになってしまったと笑いながら言う。ねえ、かわいいのねえ、犬や猫がこんなにかわいいものだとは思わなかった。
この彼女、以前子猫を連れて歩いている猫を見かけ、かわいそうなのでどうにかしてあげたいと声をかけてきたことがあった。それを知ってか知らずか、それからほどなくして、親猫が子猫2匹を連れて我が家の庭にふらりと現れた。子猫はもう触れないほどの大きさになってしまっていたから、里親を探すことも、家の中に入れることも無理だったが、とりあえず母猫を捕獲して避妊手術をした。
そのことを報告すると、手術代を折半させて欲しいと、封筒にお金を入れて持ってきてくれた。優しい気持ちだけで十分ではあったけれど、これで「共犯」、猫同盟の契りが結べると思い、有難く頂戴することにした。(その後、いろいろな事情からこの母猫を飼うハメに…それがミイちゃん。)
もう一人は動物をまったく飼ったことがない。広い庭はいつも手入れが行き届いていて、青い芝生と草花。このタイプ、きっと猫が嫌いに違いないと勝手な想像。当初は外猫が庭に入って行くのを見ては心配していたが、話をしてみるととても繊細、急速に親しくなった。
でも私の友人には珍しく、この先も動物は絶対に飼わないと断言する。死に目に遭うのがどうしても嫌だから。実は、あけみちゃんたちはこのお宅の裏の竹やぶで生まれている。明日香母さんが時々庭に連れてきていたとかで、3匹の子猫を何回も見かけていたらしい。親子の姿を見るたびに意地らしいという思いが募りはするが、どうすることもできず、「飼ってあげられなくてごめんね」と心の中で呟いていたのだそうだ。
あの子たちなら、家の中で我儘し放題に暮らしているわと言うと、とても済まなそうな表情をして俯いてしまった。それぞれにいろいろな事情を抱えているのだもの、飼えない人もいて当然。かわいそうにと思ってくれる気持ちだけでも有難い。その分、ほうっておけない性分の猫好きが孤軍奮闘してしまうことにはなるのだけれど…。
ランチの翌日、ポストに彼女からの分厚い手紙が投函されていた。彼女のこれまでの人生のこと、今の生活のこと、そしてこれからの生き方など、言葉を選びながらそれはそれは繊細な表現で綴られていた。真摯に生きる彼女らしい文章だと、心打たれながら読み進んでいくと最後にポツリ、「別の封筒に入っているお金を猫ちゃんのために使ってください。」・・・えっ?
小さな封筒には、丁寧に折られたお金が同封されていた。ポメちゃんの飼い主の時と同じように戸惑ったが、彼女の心境は痛いほど伝わってくる。自分が生きることだけで精一杯、小さな命ひとつ救おうともしない…彼女にとってはそのことがなによりも負い目になってしまっているのだ。猫のために使わせて頂きましょう、そう思い、外猫タゴちゃんの去勢手術代として寄付して頂くことにした。猫ちゃんたちにおいしいものを食べさせてあげて、と書かれていたので、あけみたちには鰹のナマリ。
猫にエサをあげるな、猫の糞が汚いという自治会の回覧板にずいぶん悩み、果ては捕獲器の話まで持ち上がった時には、ご近所すべてが「敵」なのかしらと思い悩んだこともあった。でも、どうしても小さな命を守ってあげなくちゃと、そのたびごとに自治会長に手紙を書き、地域猫への理解を求めるなどしてきた。その甲斐があったというものか。
必死で生きようとしている命、小さな命を守ることは、狭義の「動物愛護」にどとまらない。そのことに気づいてもらうことさえできれば、理解者・協力者は確実に増える、そんな思いを実感した出来事だった。
写真:(上)友人の裏庭で生まれた竹やぶ三兄弟のあけみ。うーん、かわいく育ったものだ・・・と親ばか全開!(下)鰹のナマリをくれるって言ってたのに、お素麺?!
プロフィール
ジュリママと猫たちを乗せて走る鈍行列車のちゅうちゅうとれいん。車窓から見える風景を、気ままに書き綴るブログです。あけみちゃんの絵日記、『あけみ参上つかまちゅりーっ!』もどうぞよろしく。どちらもボチボチの更新ですが、末永くおつきあい頂ければ嬉しく思います。


コメント一覧(4)
気持ちがほわ~んとなりますね^^
私も以前の住まいでは近所中を敵にまわしていましたが(苦笑)、
あるとき一人のおばさんから猫たちのために何かに使ってと
お金をいただくことが何度かありました。
何かあればお手伝いに借り出されましたが、たいしたことしていないのに
いつも諭吉さんをぽつりぽつりとくださいました。
その方とずっと一緒にボムボムたちのお世話をしていたんです。
その方以外はみんな敵敵敵でしたけどね!あははは
やまだのママ | 2008年04月30日 20:52
やまだのママさん
やまだのママさんは強いですねーーー!
奮闘している様子が目に浮かびます(笑)
どうして自治会って猫のことばっかり言ってるんだろう。
もちっとマシなこと考えられないのかしら?
地域が高齢化しているんだから、その対策とか。
猫1匹思いやることもできないんだもの、
高齢者への思いやりなんて到底無理か?!
でも、やはり「寄付」してくださる方がいらしたんですね?
やまだのママさんに共感していたんでしょうね。
それにしても、
ボムボムちゃんにもそんな過去があったんですねエ。
いまや、押しも押されぬ「お坊ちゃま」になりましたけど^^
ジュリママ | 2008年05月01日 12:16
読みながら涙が出てきました・・・
そうか、飼えない人は飼えないなりの理由があるんですね
近所にもお庭を綺麗にして、まわりに鉄のトゲトゲが置いてあるところがあって、、、踏んだら大変!!と思い、あまり通らなくなりましたが。
その方と仲良くなれて、本音でお手紙くれるようになるなんて、ジュリママさんのお人柄なんでしょうね、きっと。
うちも近所の猫を保護しているうちに、大変なことになってしまってますけど。。。最近、空き地に住宅がどんどん建ち並んで、野良ちゃんも住みにくい環境になってしまいました。あの猫ちゃん、どうしてるんだろう?と思い悩むことも。
りんご | 2008年05月01日 19:57
りんごさん
あのトゲトゲを初めて園芸用品売場で見た時にはびっくりしました。
ゾッとしちゃった・・・。
これを買う人は、
きっと心も「トゲトゲ」なのだろうと思いましたね。
それにしても、よくあんなものを発明しますよ!
私も「トゲトゲ邸」には近づかない(笑)
りんごさんのお宅も、
猫ちゃんワンちゃんで大賑わいですものね。
私も見てみぬふりのできないタイプ。
かわいそうな子たちのことを思うと、
暗ーくなってしまいます。
できることには限りがありますものねえ。
こうなったら、
ひとりでも多くの人を動物愛護の道に引きずり込むしかない!!
ジュリママ | 2008年05月03日 15:06