たかが猫、されど猫
2007年11月18日(日)
今朝の朝日新聞に「異文化はじく日本 変えて」と題する記事があった。日本人と結婚した米国人女性の長女が、在住する群馬県の小学校でいじめにあったという話し。この女性、ミックメーヒル・カイランさんは、こうした体験を「負」のままに終わらせることなく、多言語学校の運営という活動へ精力的に転化させていったのだからすごい。
そのカイランさんが訴えるのは「多文化共生」の思想。違いを言い募って衝突するのではなく、違いを認め合える人間を育てなければならないということ。日本の学校では、決められた細かいルールを少しでも犯せばたちまちいじめの対象になるが、それは異邦人をはじき出す日本の文化と繋がっているのではないかと。
隣国の人々を侮蔑的な呼称で差別化していた日本など、遠い昔の話のようだが、グローバリゼーションだのなんだのと、そんな言葉が頻繁に語られるようになった昨今にあっても、なお異邦人を受け入れる成熟した社会には至っていないということか。
日本人の異文化、異質なものへのアレルギー、排除の思想。カイランさん言うところの、異邦人をはじきだす日本の文化の根源は、いったいどこにあるのだろう。ちょっとお堅い話しになるけれど、考えてみたいと思う。
地域社会における強固な社会結合の心理的因子は、日本が「国家」としての組織を有していなかった徳川時代の社会的集成の要素で、これが後々の日本民族の片鱗となっている。
村単位で租税・夫役が割当てられていたため、政治上の要求あるいは納税の締め付けに対し、村全体が一つにまとまり、団結していかなければならなかった。ここでは厳しい連帯が求められ、必然、村は強固な地域共同体(現在なら「自治会」といったところ)を構成することによって、離反者を出さないシステムを作り出す必要があった。
明治時代になっても、村落および村落を成立させていた地縁もしくは血縁による共同体は、住民に対し、共通のものを与えることによって可能となる共同性を軸として存在していたため、共同体に組した住民は簡単にその連帯を解くことなどできない。
そこでは個人の行動に対し、論理をとおして「ことあげ」することは、「牧歌的な平和の破壊を意味する」としてタブー視され、その結果、個の責任においての行動や意識が排除・抑圧されるという、日本固有の自治体が創出されていった。「個人」が集積した「集団」ではなく、あくまでも「集団」の中に「個人」が析出されるという、家父長制度の延長の中での組織だ。
太平洋戦争期には官製の御用機関として、町内会・自治会が大政翼賛の強力な後ろ盾となり、戦争への協力体制をより強固なものとしたが、それは、「個」を喪失した集団が作り上げた、偏狭なナショナリズムのなせるワザでもあった。組織の中から異質なものを排除しようとする共同体の有機的なネットワークを、国家は実に巧みに利用したわけだ。
こうしたDNAを綿々と引きずるがゆえに、日本人は今なお、異質なものを認める社会を形成することができないでいるのか。もちろん、異質なものを認められないのは日本人だけではない。「人」という種は、異種に対して寛容になれない動物なのかも知れない。
なんだか大仰な物言い、猫の話しとは関係がないじゃないか・・・って?いえ、外猫、地域猫の問題は、異質なものをどう受け入れるかという「人の問題」でもあって、さらに言えば、猫問題にどう対処するかということは、否がおうにも組み込まれてしまっている社会、あるいは地域という組織の中にあって、いかに「個」を貫くかという問題とも繋がっている。
ちっぽけな猫の問題が、時として自治会という組織を通して「集団」を生み出し、猫の排除、さらには猫の保護に奔走する人までも排斥しようとする、歪んだ地域社会を作り出す可能性だってあるのだ。
日本の社会が異質なものを排除しようとした時、そこに考えも及ばないような残虐性を帯びる可能性があることは、歴史的に見ても否定できない。さらに厄介なことは、それが「集団」によってなされるということ、すなわち、あたかも大多数の民意であるかのように行われることだ。
地域社会とはいったい何なのか、異質なものを排除しようとする心理はいったいどこから生まれるのか。ここ数日の外猫騒動、そして今日の新聞を読んで改めて考えてみたものの、どうやら根は深そう。多様性が認められる社会の到来はいつになるのか。
写真:(上)内容とは関係ありませんが・・・サビちゃんは子猫ストレスなのか、ここ数日お腹がユルくなっています。普段の倍も可愛がってあげているのに!(左)なにがあろうと3団子。
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プロフィール
鈍行列車の「ちゅうちゅうとれいん」はいつも満員(ふ~っ…)!時々燃料切れを起こして更新が滞ることがありますが、どうぞ末永くおつきあいくださいネ。姉妹編の「あけみ参上つかまちゅり~」もよろしくお願い致します。
Cast

樹里絵(jyurie):1998年生まれ。マイペースで世話が焼けません。性格温厚で超パパっ子。

桃之輔(momonosuke):1999年生まれ。甘えっ子ですが、ものすごく臆病で、ほとんど一日中、布団の中に隠れています。

亜依子(aiko):2000年生まれ。自己主張が強くて偏屈ですが、そこがまた可愛いいんだなあ。超ママっ子です。

真美(mami):2005年生まれ。外見はタヌキそのもの、性格は犬そのものです。才気煥発で気性が激しい。

美意子(miiko):2005年生まれ? 歯を見ると6、7歳…本当は何歳だろう?一日中、文句たらたら言っています。

奈々(nana):2001年生まれ。ようやくノラっぽさもなくなり、明るい陽気な子になりました。
明美(akemi)にゃ三郎(nyasaburou)、小牧(komaki):2007年生まれ。仲良し3兄弟。毎日楽しそうに暮らしています。

里音(satone):2009年8月保護。どんな生い立ちでどんなニャン生を過ごしてきたのか、それは謎です。未来を生きる猫!

寿々(suzu):1994年12月~2010年3月12日。パパの仕事部屋に入れた唯一の子。人の気持ちがよくわかる、とてもとても頭の良い子でした。

福太郎(fukutarou):1997年4月~2008年3月20日。陽気で甘えっ子。抱っこされるのが大好きでした。お母さん代わりだった寿々との再会、「欣喜猫躍」していることでしょう。
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コメント一覧(2)
コメントありがとうございました!
8匹ものネコちゃんたちと、お住まいなんですね!!
私は猫初心者でしたが、猫と暮らす楽しさを知りました。
これからも、よろしくお願いします。^^
miho | 2007年11月19日 16:56
mihoさん、いらっしゃってくださってありがとうございます!
かわいらしいばかりか、すごい美猫のミーちゃんとケイちゃんに、猫初心者のmihoさんが出会ったのはラッキーでしたね。メロメロになられるのも無理はありません(笑)。
こちらこそ、これからもどうぞよろしくお願い致します。
ジュリママ | 2007年11月19日 22:10