ニッポン、居よいか住みよいか?
2007年07月30日(月)
東京のとある教会でバッハのカンタータを演奏してきた。たまたまドイツから一時帰国していたバイオリニストも参加していて、休憩時間には、30年間生活したドイツを離れ、いよいよ日本に帰ろうかどうしようか迷っているという話になった。パートナーはドイツ人。
日本の音大を出た後、ドイツのプロのオーケストラに縁があって就職、当初2,3年で帰るつもりが、あっという間の30年。どれほど海外の生活に馴染んだ人でも、年とともに日本に帰りたくなるものらしく、ご他聞に漏れず、彼女も日本が恋しくなってきたが、帰国の決心がつかない。日本は危ないでしょう、だから・・・と。
治安のことではなく、右傾化してゆく日本への危惧。いつ有事が起きるとも限らず、決心がつかないと言う。その時居合わせた7,8人の仲間、その発言を、誰ひとりとして楽観的には受け止めず、本当にどうなるかわからないから、ドイツの家を引き払ってしまわず、日本と自由に行き来できるようにしておいたほうが良いと、それが全員一致した答え。
特に左巻き集団というわけではなく、ただただ音楽好きが集まっているだけで、政治の話をすることなど滅多になく、どちらかといえば世事に疎い連中。そんな集まりでありながら、そのうちのひとりとして、今の日本の為政者、政治、政府そして国家に信頼を寄せていないということなのか。
確かに今の右傾化、日本のファシズム形成期であった1930年代の状況とよく似ている。小泉純一郎という、論理的思考あるやなしやの前首相が、自民党をぶっ壊すと叫び、壊したほうが良いほどの政党なら、なにもいまさら支持することもなかろうにと常識的には考えるが、逆に支持層を増やしたというわけのわからない話。
国民は、ぶっ壊すという言葉の持つ、ダイナミックな「破壊」の響きに酔いしれ、権力者の首を取るでもない脆弱な「革命」を幻視、いもしない英雄、いやむしろ本来ならば首を取られるべきはずの「獅子」の吐くケムに巻かれてしまった。見事なポピュリスト。
その手練手管に乗せられてなるものかと、危機感抱いた少数の国民は、あわやのファシズム台頭に必死の抵抗を試みたが、民主主義政治は究極の多勢に無勢、その無力感だけが残る結果となった。
これを機に若者は排他主義、排外主義へと向かったが、その若者、元を質せば小泉改革の落とし子たち。「格差社会」のなれの果て、いずれ優位に立つことなどできないと気づき、せいぜい「シナ」と隣国を蔑み、かろうじてその悪しきプライドを満足させるという、虎の威ならぬ、獅子の威を借りての似非ナショナリスト。
満州侵略(満州事変)の際に石原莞爾ら、「民衆の戦争支持熱の高揚こそが、錯綜する局面打開の鍵」としたが、勝利の報に、さらなる戦争支持、排外主義へと調子づき勢いづいていった民衆。まさに同じ手法。
忘れてならないのがこれに加担したジャーナリズム。満州事変以前には「武力がオールマイティであった時代はすでに過ぎ去っている」(昭和6年8月8日付)という社説を掲げ、もっぱら軍縮を主張していた朝日新聞が、同じく10月の重役会では「国家重大事ニ処シ日本国民トシテ軍部ヲ支持シ国論ノ統一ヲ図ルハ当然ノ事ニシテ現在ノ軍部及ビ軍事行動ニ対シテハ絶対非難批判ヲ下サズ極力之ヲ支持スベキコトヲ決定」と、一転。
ラジオのコメンテーターには御用学者や御用ジャーナリストがしばしば登場し、戦争の正当性をしたり顔に語って国威発揚、精神主義を鼓吹したが、今また御用学者・御用キャスターの、テレビにこぞって顔を出し、口角泡を飛ばしながら政権擁護するのに似ている。今が「戦前」だとすれば、「戦後」には打って変わって自由主義者のふりをするであろう、卑劣な輩の台頭する時代。
国家があるかぎり、国民の永久の平和など決して保障されはしないが(この矛盾…)、「歴史は繰り返される」というのが事実だとすれば、今の日本はさしずめ休火山。危うい日本。
「国のため」に戦おうなどという殊勝さはなく、戦争をしたいのなら時の権力者と一族郎党、率先して前線に行けばいいじゃないのと、その程度。「死の商人」を太らせるため、そして、利権に群がる為政者のために命を投げ出す気など、さらさらない。
だから、いざとなったらどこかの国に移住しよう、ニュージーランドなら気候もいいかしらと考えたりもするが、問題は猫。動物の検疫には殊のほか厳しいお国柄、30日もの検疫期間、老猫に耐えられるはずがない。一家揃っての海外脱出には難題山積、だとすれば、有事なき日本での安住確保のため、せいぜい時の悪政に抵抗。
(参照文献:『戦争とジャーナリズム』茶本繁正著,1991年,三一書房)
写真:(上)戦争のある国には犬や猫の姿がないと、かつて何かの本で読んだことがある。窓辺に猫のいる風景のなんと平和なこと。(下)戦争になったら、平和の使者、ウルトラニャン!ムメモの登場に期待しよう。それにしても、どうしてこんなふうに目が光るの?
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プロフィール
鈍行列車の「ちゅうちゅうとれいん」はいつも満員(ふ~っ…)!時々燃料切れを起こして更新が滞ることがありますが、どうぞ末永くおつきあいくださいネ。姉妹編の「あけみ参上つかまちゅり~」もよろしくお願い致します。
Cast

樹里絵(jyurie):1998年生まれ。マイペースで世話が焼けません。性格温厚で超パパっ子。

桃之輔(momonosuke):1999年生まれ。甘えっ子ですが、ものすごく臆病で、ほとんど一日中、布団の中に隠れています。

亜依子(aiko):2000年生まれ。自己主張が強くて偏屈ですが、そこがまた可愛いいんだなあ。超ママっ子です。

真美(mami):2005年生まれ。外見はタヌキそのもの、性格は犬そのものです。才気煥発で気性が激しい。

美意子(miiko):2005年生まれ? 歯を見ると6、7歳…本当は何歳だろう?一日中、文句たらたら言っています。

奈々(nana):2001年生まれ。ようやくノラっぽさもなくなり、明るい陽気な子になりました。
明美(akemi)にゃ三郎(nyasaburou)、小牧(komaki):2007年生まれ。仲良し3兄弟。毎日楽しそうに暮らしています。

里音(satone):2009年8月保護。どんな生い立ちでどんなニャン生を過ごしてきたのか、それは謎です。未来を生きる猫!

寿々(suzu):1994年12月~2010年3月12日。パパの仕事部屋に入れた唯一の子。人の気持ちがよくわかる、とてもとても頭の良い子でした。

福太郎(fukutarou):1997年4月~2008年3月20日。陽気で甘えっ子。抱っこされるのが大好きでした。お母さん代わりだった寿々との再会、「欣喜猫躍」していることでしょう。
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