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ない子で苦労はしないと言うけれど

2007年07月26日(木)

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このあいだの日曜日、荻窪まで電車で出かけ、急いでいたから、途中の御茶ノ水で快速に乗り換えたまではよかったが、たまたま乗ったその車両、子供の泣き喚く声の満ち満ちたトンデモ車両。当の男の子は2歳ぐらい、3歳ちょっととおぼしきお姉ちゃんとお母さんの3人連れ。

最初は、騒々しい親子だなあという程度、ところが次第に耳をつんざく子供の悲鳴、それが絶え間なく続くのにいささかウンザリ。あまりに聞き分けのない我儘ぶりと、それを叱りきれないでいる母親に苛立ち、いっそ車両を代えようかと思ったぐらい。

言葉はまだカタコトだから、要求の内容は不明。でも、どうやら履いている靴下が気に入らないらしく、脱いでは放り投げ、放り投げては拾いの繰り返し。そのたびごとに、電車の天井が抜け落ちてしまうのではないかと思うぐらいの嬌声を張り上げる。

のみならず、信濃町あたりからは、靴下を履かないなら電車の中に置いてゆくわよ、と母親も怒鳴り始めたから、騒々しさは加速するばかり。子供、どれほど急かされようと靴下を履く気配はなく、裸足のまま床を転げまわって泣くばかり。ご一行様降車駅の新宿に着き、ドアが開いてもそのまま。

母親、この騒ぎなど一向気にならないらしいお姉ちゃんを抱きあげ、先に降りてしまった。残された男の子、どうするのだろうと眺めていると、慣れたるもの、わーんと泣きながらドアの閉まる直前にホームに転げ降りた。寝たままの姿勢でゴロゴロと。はあん、いつものことなのね。

やれやれ…と誰もが、胸をなでおろし、ようやく車内に静寂が戻ったその時、高齢のご婦人が一言「ああ、うるさかったわねえ」と、まことに正直な心情吐露。乗客、きっと心の中でこのご婦人に「座布団一枚!」。

公私の区別にうるさい古い親に育てられ、だからなのか、静かにできない子供は大の苦手、それが嵩じて、子供そのものが得意ではないのだが、でも最近は年のせいか、もし子供がいたらどんなふうに育っていたかしら、親の思惑通りに育ったかしらと思うことも。子育て、そうそう上手くいかないのが世の常、だから案外苦労しているに違いない。「るッセイ、ババア」とかなんとか言われたりして。

母が最晩年まで口癖のように言っていたのが、「ない子で苦労はしないのよ」という言葉。養女を貰って苦労した作家の話をする時、必ず引き合いに出していたが、実は自分の体験、思うところを言葉にしていたのではあるまいか。これ、子供心に引っかかっていたらしく、思いのほか深い傷、今だに、母親にとって「不肖の子」だったのかもしれないと、思うことがある。

今生は子育てに縁はなく、もっぱら猫育て専門。「ない猫で苦労はしない」という言葉が、時々心をよぎることもあるが、ある猫で苦労するのもこれまた幸せ。手のかかる子(猫)ほどかわいいというのも、真理。

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写真:(上)フクちゃんは素直に育ってくれて、ほんとうにいい子。(左)これだけ慕われれば猫親冥利に尽きるというもの。なぜか男親の人気絶大。


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ジュリママと猫たちを乗せて走る鈍行列車のちゅうちゅうとれいん。車窓から見える風景を、気ままに書き綴るブログです。あけみちゃんの絵日記、『あけみ参上つかまちゅりーっ!』もどうぞよろしく。どちらもボチボチの更新ですが、末永くおつきあい頂ければ嬉しく思います。

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