追悼・番外編
2007年07月05日(木)
20歳の青年が死んだ。その青年、ある合唱団でテナーを受け持っていた。医学部を受験していたが叶わず、二浪の末、今年、方針を変更して某大学に入ったばかりだった。確か神学部だったと思う。
彼と初めて会ったのは去年の夏、合唱団の打ち上げに同席し、たまたま隣に座ったのが彼だった。その頃はまだ、重度の鬱病に苦しんでいたことなど露知らず、それよりも将来を迷う若さがうらやましく、同じ年の頃、迷い多く、ふらふらとしていたわが身と重ね、甘酸っぱいような気持ちで彼の話を聞いていた。
しばらくして、彼がブログを書いているというので覗いてみたが、書かれていた内容は、夢を語る青年のそれではなく、水槽から飛び出してしまった魚のよう、ただただ生きることにあがきまくる、凄まじいものだった。この先生きていくことなど到底できないのではないかと、読んでいるこちらが苦しくなってしまうほどだった。
何に悩み抜いていたのか、何をどう解決したいと思っていたのか、他人には窺い知ることなど、いやいや当人以外、身内でさえできないことだが、ブログには家族との葛藤、それがトラウマになって逃れられないと記されていた。精神科に行けば薬の量が次第に増えてゆき、最後には14種類だか15種類だかになり、それを手のひらに乗せ、これだけ飲んでいますと、自虐的な報告。
歌が好きで、だから尊敬する歌手のレッスンにも通っていて、上手くなったと褒められては喜び、ドイツの演奏旅行に行き、すっかり世界を見る目が変わったと、殊勝なことを書く日もあったりしたが、間も空けずに、死にたい、死にたいという文字ばかりが並び、自殺未遂をしたと淡々と記す日まであって、いかにも不安定な日々。
合唱団の指揮者は、ブログを見ては、夜中であってもしばしば彼の家に駆けつけていたようだった。一人暮らし、食べるものがなくなったと書けば、一緒に活動をしている仲間が食料品を買い込んで持っていったり、だから、決して彼はひとりぼっちではなかった。それなのに死んでしまった。
たまたま昨日、彼の合唱団の仲間と、当の指揮者に会う約束があり、定刻に行ったが、いずれも時間に遅れてやってきて、その服装は黒づくめ。いやな予感がして、まさか彼・・・と問うと、やっぱり。女性は目を真っ赤に泣き腫らしていたが、彼らが一様に口にした言葉は、あいつ、最後まで迷惑をかけて許せない、と。悲しみよりも、葬儀の間、怒りでいっぱいだったと。
その言葉、憤り、なによりも悔しさ、彼の心に届いただろうか。そう、死んではいけなかった。人間なんて誰しもが苦しい思いを抱え込んでいて、それをみんな乗り越えている、などと陳腐なお説教をするつもりはさらさらないが、人の気持ちだけは裏切っちゃいけない。愛されたことへのお返しは、愛すること。愛することができるまで生きること、死ぬことなんかではなかったのですよ。生きていてほしかった。
心からご冥福を祈ります。
写真(上)ささやかな気持ちを込めて。(左)天上のオルガンの響きの中で、貴方の魂が救われますように。
プロフィール
鈍行列車の「ちゅうちゅうとれいん」はいつも満員(ふ~っ…)!時々燃料切れを起こして更新が滞ることがありますが、どうぞ末永くおつきあいくださいネ。姉妹編の「あけみ参上つかまちゅり~」もよろしくお願い致します。
Cast

樹里絵(jyurie):1998年生まれ。マイペースで世話が焼けません。性格温厚で超パパっ子。

桃之輔(momonosuke):1999年生まれ。甘えっ子ですが、ものすごく臆病で、ほとんど一日中、布団の中に隠れています。

亜依子(aiko):2000年生まれ。自己主張が強くて偏屈ですが、そこがまた可愛いいんだなあ。超ママっ子です。

真美(mami):2005年生まれ。外見はタヌキそのもの、性格は犬そのものです。才気煥発で気性が激しい。

美意子(miiko):2005年生まれ? 歯を見ると6、7歳…本当は何歳だろう?一日中、文句たらたら言っています。

奈々(nana):2001年生まれ。ようやくノラっぽさもなくなり、明るい陽気な子になりました。
明美(akemi)にゃ三郎(nyasaburou)、小牧(komaki):2007年生まれ。仲良し3兄弟。毎日楽しそうに暮らしています。

里音(satone):2009年8月保護。どんな生い立ちでどんなニャン生を過ごしてきたのか、それは謎です。未来を生きる猫!

寿々(suzu):1994年12月~2010年3月12日。パパの仕事部屋に入れた唯一の子。人の気持ちがよくわかる、とてもとても頭の良い子でした。

福太郎(fukutarou):1997年4月~2008年3月20日。陽気で甘えっ子。抱っこされるのが大好きでした。お母さん代わりだった寿々との再会、「欣喜猫躍」していることでしょう。
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