あな恐ろしや、鬱病薬「パキシル」
2007年07月01日(日)
猫が顔ばかり舐めるこの季節。鬱病なんていう厄介な病気を患っていた頃、悪化するのは必ず低気圧が接近する時という不思議な法則があって、だからどうもジメジメした天気は未だに苦手。その時の辛さがふと思い出される。
かつてはひたすら隠すばかりだった鬱病が、最近では自ら告白する人も増えてきて、堂々と精神科に通える時代。それでも、心底理解してくれる人は少なくて、中でも、心のあり方をコンコンと説教する友人には閉口した。政府がお膳立てする有識者会議とかなんとか。なんでいつも場違いなこの人がいるのかと思わせる派遣会社の女親分、「過労死は自己責任」なんて馬鹿げたことを平気で口にしていたが、それと似たクチ。
元気な時ならそんなお説教も馬耳東風、いやいやもっと露骨な猫耳西風。ところが鬱病の時は、何もかもが自分のせい。雨が降るのも自分のせい、レストランが混んでいるのも自分のせい。そんな心理状態のところに、これもね、これもよ、これもぜ~んぶアナタが悪いのよ、わかるわね、のダメ押しは、閻魔大王に舌を抜かれるより辛い。いっそその人の舌、エンマ様に抜いてもらいたいと思うほど。
6月28日付け朝日新聞朝刊に、抗うつ剤の「パキシル」服用後に自殺や自殺未遂が増えているという、厚労省の調査結果が掲載されていた。このパキシル、精神科ではごくごくポピュラーな薬。副作用が少ないという触れ込みで、鬱病患者の大半に処方されているらしい。幸い、パキシルを飲んで死にたいと思ったことはなかったが、その副作用は体験済み。
なによりも怖いと思ったのは、飲むと記憶がほとんどなくなること。冷蔵庫を開けると真っ赤なトマト。買ってきた覚えがないから、誰が買ってきたの?と聞くと、今しがた自分で買ってきたんでしょうにと。ところがいくら考えても、車を運転して買い物に行った自分を思い浮かべることができない。車なんて乗ったっけ? で、どこのお店に行ったの?
そんなことがしょっちゅうあって、さすがに記憶の途切れる副作用、これ以上続けたらもともと怪しい脳ミソ、決定的にどうにかなってしまうに違いないと思い、薬の服用中止、カウンセリング中心の治療への移行をお願いした。ところが精神科医、飲めば辛い症状が消えてラクになるのだし、治癒だって早まる、それをやめるなんてとヘラヘラ笑って取り合わない。それなら自分でやめるしかない。
鬱病の薬を突然やめると禁断症状が出て、間が間違えばショック死。だから他人さまには勧められないが、我が身、承知の上での決断。案の定、やめた途端、氷の中にいるような寒さにガタガタ震え、加えて幻覚、幻聴。腕に注射の跡こそないが、「ヤクをくれー」と哀願する、不幸だけを背負って生まれてきたような、哀れなオンナの気分。薬物中毒に効くという漢方を買ってきてもらい、どうにか死地脱出、ほどなく回復したが、いや、ほんとうに死ぬかと思った。
ちょうどその頃、友人のホルン吹き、彼の本業は大学病院の医師だが、会うたびに元気がない。聞けば家庭内のイザコザから鬱病、パキシルを飲んでいると言う。意外なところにパキシル仲間。医師という仕事はルーティンワーク、来るのは大抵風邪っぴきばかりで重症の患者など滅多にこない。だから投与する薬もほぼ決まっていて、どうにか仕事はこなしていると、彼の口から恐ろしい告白。確かこの人の学位論文、ある薬の副作用に関する研究だったと思うが、とんだ紺屋の白袴。
鬱病がこんなに増えている原因、心理学者でもなんでもないから分析の根拠はないが、家庭、会社、地域とあらゆる場面に渡っての社会機能不全、それにも増して、あらぬ化学物質、環境ホルモンが、脳内に何かしら悪さを働いているということなのか。いずれにしてもこの病気、将来を描くことのできる動物に限っての疾患。自殺報道の決まり文句が「将来を悲観して」とあるのは、まさにそれ。
新しい猫を飼ったと同時に、どこかにいなくなってしまうという古猫の話。これなんぞ、飼い主との、未来永劫に渡る平穏な生活をひたすら信じていたのに、愛情の独り占めがもはや叶わないと知り、将来に絶望した猫が鬱病に罹患してのことか。聞くところによると、精神治療専門獣医師なるものもいるらしい。はてさて小難しい生き物。
写真:(上)白黒猫は総じてのんびり屋さん。鬱病にはなりにくいタイプ。(左)折り合いをつけながらの同居。
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プロフィール
鈍行列車の「ちゅうちゅうとれいん」はいつも満員(ふ~っ…)!時々燃料切れを起こして更新が滞ることがありますが、どうぞ末永くおつきあいくださいネ。姉妹編の「あけみ参上つかまちゅり~」もよろしくお願い致します。
Cast

樹里絵(jyurie):1998年生まれ。マイペースで世話が焼けません。性格温厚で超パパっ子。

桃之輔(momonosuke):1999年生まれ。甘えっ子ですが、ものすごく臆病で、ほとんど一日中、布団の中に隠れています。

亜依子(aiko):2000年生まれ。自己主張が強くて偏屈ですが、そこがまた可愛いいんだなあ。超ママっ子です。

真美(mami):2005年生まれ。外見はタヌキそのもの、性格は犬そのものです。才気煥発で気性が激しい。

美意子(miiko):2005年生まれ? 歯を見ると6、7歳…本当は何歳だろう?一日中、文句たらたら言っています。

奈々(nana):2001年生まれ。ようやくノラっぽさもなくなり、明るい陽気な子になりました。
明美(akemi)にゃ三郎(nyasaburou)、小牧(komaki):2007年生まれ。仲良し3兄弟。毎日楽しそうに暮らしています。

里音(satone):2009年8月保護。どんな生い立ちでどんなニャン生を過ごしてきたのか、それは謎です。未来を生きる猫!

寿々(suzu):1994年12月~2010年3月12日。パパの仕事部屋に入れた唯一の子。人の気持ちがよくわかる、とてもとても頭の良い子でした。

福太郎(fukutarou):1997年4月~2008年3月20日。陽気で甘えっ子。抱っこされるのが大好きでした。お母さん代わりだった寿々との再会、「欣喜猫躍」していることでしょう。
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コメント一覧(2)
パキシルの記事を読んで納得したことがありました。
私も昨年春まで飲んでいたからです。。。
それだけじゃなく本当にたくさんのお薬を毎日何度も何度も
飲んでいました。
大量のお薬を一度に飲んで死ねるわけでもないのに
(当時はそんなこと知りもしないし考えもしなかった)
眠剤を2週間分一気に飲んでみたり・・・。
頭が虚ろになりながらどこかに電話したらしく、家族中に
迷惑をかけて救急のお世話になり胃洗浄、5回も経験
しました。。。
胃洗浄ってツライって聞きますが、私の場合は意識が
朦朧としている中での処置だったので、まったく覚えて
いませんでした。ある意味幸いだったのか!?
元々病院のお世話になるようになった理由がはっきり
していたんですが、やまだの病気が発覚してから
自分がそんな状態でいるわけにはいかないっ!と
決心し、一切薬をやめました。
やまだのことに毎日一生懸命になっていたので、気がつくと
薬のことなんて考えなくなっていたんです。
やまだのおかげです。。。本当に。。。
上の写真の白黒にゃんこさん、右側の子の背中に一本
白いラインがすぅーと入っているんですね^^
とてもかわいいです♪
やまだのママ | 2007年07月02日 12:04
やまだのママさん
大変だったんですねえ・・・。
コメントを読みながら、
やまだちゃんの顔が思い浮かび、
ポロポロと涙がこぼれてしまいました。
ママのこと、きっと心配していたはずですものね。
元気になられて良かった。
ほんとうに、ほんとうに良かった!
ジュリママ | 2007年07月02日 16:59