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売れ残りの犬はいらんかねえ

2007年06月17日(日)

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ペット売場に「生体」という看板がぶらさがっていて、いかにも生身の命を売っていますというふうで、この呼び方、なんとも気持ちが悪い。もう少しましな言い方ができないものかと、その無神経さを腹立たしく思ったりもするが、まあ言い方を変えたところで、所詮ブリーダーが産ませる犬や猫に値段をつけての「命」の売買。

売れ残れば‘賞味期限切れ’だか‘消費期限切れ’だか、コンビニのお弁当よろしく「処分」するのが現実らしいから、生々しい生命体を連想させて、どうだ、それでも責任取れるかと迫る感じ、むしろ口当たりのいい名称で誤魔化すより、良心的というものか。

以前はかわいい子犬、子猫の顔見たさ、スーパーに行くと、わざわざエレベーターでペット売場のある階まで昇り、ガラスケースの中を覗いていたが、ここ20年ぐらい、ウチの子たちの食料品を買うために売場に行く時でも、競走馬よろしく「遮眼帯」、これを心の中にしっかとイメージして、ペットフード以外、余所見は一切しない。それというのも、ウェスト・ハイランド・ホワイトテリアという犬種のミイちゃんとのことがあったから。

ミイちゃんという猫のような名前は、ペット売場の店員がつけた名前で、この売り子さん、よほどの動物好きらしく、いつも2、3匹しかいない小さな売場だったから、それぞれに名前をつけ、お店が休みの日には、売っている子たちを自宅に連れ帰って面倒をみていたらしい。

そのミイちゃんに会いたくて、買い物のたびに売場に寄るようになった。ところがこの子、半年過ぎても売れる気配がない。離乳が終わってすぐに売りに出されたはずだから、生後8ヶ月目ぐらい、ほとんど成犬と言ってよいほどに育ってしまった。お値段は最初の12万円から次第に値下がりして10万円、8万円…。

今日は売れたか、明日は売れるかと気がかり、その確認のために立ち寄る。飼ってあげたい気持ちも募ってはいたが、当時すでに猫が2匹、その子たちの社会性のなさ、偏屈さを考えると、上手くやっていける自信はなく、誰かがいつか買ってくれることだけに期待をかけていた。けれど、大きくなってしまった犬に買い手などつくはずはなく、後から入ってくる子犬や子猫ばかりが売れてゆく。

店員は可愛いがっているが、そこは商売、売れないものをそのまま置いておくわけにもいかず、たぶん四面楚歌。そんな時、たまたまガラスケースから出ていたミイちゃんに、売れないわねえ…と話しかけてしまったのが運の尽き、側にいた店員さんが懇願するような言い方で、値引きしますからと。

安くすると言われても、我が家じゃ犬は貰いモノ、猫は拾いモノと相場が決まっていて、だからわざわざお金を出して買う気など毛頭ない。それぐらいなら、動物愛護センターあたりから、可愛そうな子を引き取ってあげようというもの。でもその時のミイちゃんは捨てられた犬同然、人為的に命を絶たれるのも時間の問題。そう思うと清水の舞台、矢も盾もたまらず6万円に値切って買ってしまった。

犬を買ってきたと言っても、パパはそれほど驚きもしなかったが、猫のほうは予想どおり、高いところに登ったままフーだのシャーだのと毛を逆立てての攻撃、水も食事も摂らない。犬は犬で、そうした環境がよほどストレスだったのだろう、軟便を撒き散らし、そのうち血便と血尿。しばらく様子を見ていたが、この先同居など到底無理、家庭の平和を取り戻すためにも、犬の里親を探すことにした。

新聞や広報紙で里親を捜すと、中には動物虐待が趣味なんていう人がいるから気をつけないと、と愛護団体の人から聞いたことがあるから、それは最後の手段。まずは犬を車に乗せ、友人知人の家を一軒ずつ廻っての里親探しを開始した。犬はいらんかねえ、の行商。

十軒近く廻ったが、犬好きはすでに犬を飼っているし、飼っていない家は動物アレルギーだのなんだの、おいそれと飼い主など見つからない。車に弱いミイちゃんは、カーブのたびに車酔い、気をつけて運転してあげるのだけれど何回も吐いてしまい、犬も人間も車も、大変な一日になってしまった。

あと何日か努力してみて、それでも貰い手が見つからなければ飼うしかないと覚悟を決めて家に戻ると、さっき訪問した友人からの電話。彼女がピアノを教えているお弟子さんの家で、ほんの少し前に同じ種類の犬を亡くしたばかり、欲しいと言っているという。欣喜雀躍、早速ミイちゃんを連れて行くと、家族中で大歓迎してくれた。

結果はめでたしめでたし。けれどこのことがあってからというもの、すっかり懲りて、二度とペット売場の「生体」は見ないことにした。君子危うきに近寄らず…いやいや、愚者危うきに近寄るなかれ、と心に言い聞かせて。

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写真:(上)里親さんから届いたミイちゃんの写真。あれから20年、まだ元気でいるだろうか。(左)犬と暮らすのを拒否した子たち。仲が良く、いつも結託していたから、誰も2匹の間に入り込むことなどできなかった。


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コメント一覧(6)

ペット屋さんの動物を見るのは嫌いです。見世物のようで買ってくれるのを待っている姿は哀れを感じさせます。そしてジュリママさんがおしゃるようにコンビ二弁当のように売れなかったら処分されるって命を軽視した本当に酷い話です。

ミイちゃんの里親さんがみつかったときはホッとしました。私の家でも里親探しで苦労しました。期待した人からはいい返事がもらえず駄目元で声をかけた人から”飼ってもいいよ”という言葉が返ってきたとき、その一言はどんなものにも代えがたいありがたい言葉となりました。  そうですよね!ジュリママさん!

それにしてもいつもながらジュリママさんの動物への愛情の深さには頭が下がります。

キキ | 2007年06月18日 23:12

私も何かがきっかけでペット売り場などには足を運ばなくなりました・・・。
大きくなったわんちゃんたち、売れなかった場合どうなるのか・・・
考えるだけで恐ろしいです。
現実逃避かもしれないけど。。。
ジュリママさんは本当に行動力があって尊敬します^^
私なんてご飯を上げていた野良にゃんこさんたちに、避妊・去勢手術をするくらいしかできません。。
本当は家の中でみんな飼ってあげたかったですが。
今の住まいには昨年から住んでいるのですが、もうお外でご飯をあげている子は今はいません・・・。

やまだのママ | 2007年06月19日 07:23

キキさんも里親探しをされたのですね。
黙って見過ごすなんてこと、できませんものねえ・・・。

ほんと、飼ってあげると言われると、
その人がたちまち神様のように思えてしまいます!!

ジュリママ | 2007年06月19日 10:56

やまだのママさん

私はちょぴり卑怯者で、動物愛護団体とかに
積極的に関わるほどの勇気はないんですよ。
目に入ってしまった子だけは、何とかしてあげなく
ちゃと思うんですけれど。

できるだけのことはする・・・しかないですよね。

ジュリママ | 2007年06月19日 11:10

こんにちは、ジュリママさん、ねこぼーしです。
写真がきれいで、とても知的な記事のブログですね。

「生体」という呼び方、狭いガラスケースでの陳列、
売れないと値段が下がってゆくシステム、
そしていつのまにかふっつり姿を消す彼ら…。
私もペットコーナーに行くといつももどかしい気持ちとなり
そのうち足が向かなくなったひとりです。

我が家の猫たちも、ネットの里親制度でもらった猫、
ペットショップの里親募集を通じて引き取った猫、
そして最後の子は捨てられていた猫なんです。
それぞれ、我が家でひきとるたびに、悩み、考えましたが
結果的には皆、仲良くやってくれてほっとしています。
でも犬は、やはり難しいでしょうね。

ミイちゃん、結局は円満で終わりましたが
それまでの過程にたくさんの複雑な問題を抱えた記事で、
とてもいろいろ考えさせられました…。

ねこぼーし | 2007年06月21日 16:04

ねこぼーしさん

コメントをありがとうございます。
先住猫がいると、後から猫を入れても大丈夫かしらと
心配してしまいますが、案外うまくいくものですね。
ねこぼーしさんのところのお猫ちゃんたちも、
おっとりしていて、とっても幸せそうですものね。

おす2匹、めす4匹という絶妙なバランス(~~;)の
メダカさんたちも仲良く泳いでいますか?

ジュリママ | 2007年06月22日 11:26

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鈍行列車の「ちゅうちゅうとれいん」はいつも満員(ふ~っ…)!時々燃料切れを起こして更新が滞ることがありますが、どうぞ末永くおつきあいくださいネ。姉妹編の「あけみ参上つかまちゅり~」もよろしくお願い致します。

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樹里絵(jyurie):1998年生まれ。マイペースで世話が焼けません。性格温厚で超パパっ子。

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桃之輔(momonosuke):1999年生まれ。甘えっ子ですが、ものすごく臆病で、ほとんど一日中、布団の中に隠れています。

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亜依子(aiko):2000年生まれ。自己主張が強くて偏屈ですが、そこがまた可愛いいんだなあ。超ママっ子です。

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真美(mami):2005年生まれ。外見はタヌキそのもの、性格は犬そのものです。才気煥発で気性が激しい。

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美意子(miiko):2005年生まれ? 歯を見ると6、7歳…本当は何歳だろう?一日中、文句たらたら言っています。

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