猫の恩返し
2007年05月07日(月)
ちょっと気になっていた虫歯の治療、どこの歯医者さんに行こうかと迷っていたが、今はネットで評判がわかる時代。近くに適当な歯科医院が見つかり、行ってみた。外見はどこといって変わりのないごく普通の歯医者さんなのだけれど、実はちょっとだけ風変わり。ここ、医院の名前の先頭に「亀」という文字がつくが、その名前を実に巧みに医院の宣伝に利用しているのだ。受付の診察券入れからはじまり、あちらこちらにカメのかわいいイラストが描かれていて、なんだか「保育園」に来たような気分にさせられるのは、小児歯科も併設しているのでご愛嬌。
ところが待合室に備えてある大きな水槽の中、熱帯魚が優雅に泳いでいると思いきや、カメが2匹でヘラヘラと泳いでいるあたりから、なんとなく怪しくなる。水槽のすぐ左横、待合室に隣接している、広さにしてかれこれ10畳ほどはあろうかというガラス張りの部屋を覗いてみれば、そこにはガラパゴス諸島を彷彿とさせる、あの迫力満点の巨大なカメが3匹もいるではないか。要するにこの医院、「カメの館」だったというわけ。ママはまったく知らなかったのだけれど、後からご近所に○○歯科に行っていると言ったら、「ああ、あのカメのいる所ね」とすかさず返されたから、このあたりではよほど有名らしい。
ここにいるのはアルダブラゾウガメとケヅメリクガメというカメだそうで、どちらも甲羅がやたらと分厚く、その分、体重もかなりありそう。リクガメは道路を横断しているところを警察が保護し、「迷い亀」として保管されていたものを院長が譲り受けたとか。まさかこんなに大きくなるとは思ってもいなかった飼い主が、飼いきれなくなって捨てたのか、はたまた広い世界を夢見て、カメ自らが脱走したのか。
のっそりとした歩みの先に、何かしら目的があるというふうには見えず、いったん障害物にぶつかると、いかにも面倒くさいといった風情で固まったまま。方向転換を試みようとか、障害物から離れようする様子もなく、治療が終わり、待合室に戻ってきてもまだそのままの姿勢でいる。怠惰というのか怠慢というのか、なんともものぐさな生き物だが、そんな様子を見ていると、「亀生」成り行き任せ、それでもそれなりに生きているし、ガラスの部屋の下にある「通用口」から外に出て、太陽で甲羅干しをしている時のうっとりした眼差しなんて、まさに至福の時といったふうで、羨ましく思えたりもする。障害にぶつかると人一倍あわてふためき、結局のところいいことなし、け躓いて転んでしまうママにとっては、人生かくあるべしという手本のような生き物だ。
ちょっとした遊び心なのか、同じ部屋の中には小さな囲いがあって、そこに1匹のウサギが同居している。ところがどうもこのウサギ、カメを嫌っているらしく、カメがのっそりと側に近寄ってくると、くるりと後ろを向いてしまう。寝ているウサギを尻目に、せっせと「努力怠りなく」競走に勝つという、カメのド根性ぶりがいけ好かないのか、無垢な子供に語る童話の中で、かたやワニ(サメ?)を騙して丸裸にされてしまうウサギと、かたや助けられた恩返しにと、龍宮城まで優雅に浦島を案内するカメの、この扱いの不当さが許せないのか、いずれにしても、プイと後ろ向きになるウサギを見ていると、DNAに「あんたなんかキ・ラ・イ!」が刷り込まれているのではないかとさえ思えてくる。
動物が好きなママだけなのかもわからないけれど、このカメたちを眺めていれば、予約の時間から30分過ぎようが1時間過ぎようが、いくら待たされても文句を言う気にはならない。歯の治療にはさしたる関心もなく、毎回カメたちに会いに行くのが楽しみになってしまいそうな気配だか、それにしてもこの歯科医院、実に繁盛している。これはきっと「亀の恩返し」に違いないとママは思うのだけれど、そうだとすると、我が家の猫たちにも期待をかけたくなるというもの。う~む、しかしヤツラの態度と見ていると、どうも‘無償の愛’を当然と思っているフシがあって信用ならない。ジュリや、期待していていいものかどうか、みんなに聞いてみてくれない?・・・って、あなたも結構怪しいわね。
写真:(上)我が家の猫ども、やっぱり恩返しなんて考えていないに違いない。このお気楽ぶりだもの・・・。(左)それに比べて、なんて健気な歯医者さんちのカメさんたちだろう。
プロフィール
鈍行列車の「ちゅうちゅうとれいん」はいつも満員(ふ~っ…)!時々燃料切れを起こして更新が滞ることがありますが、どうぞ末永くおつきあいくださいネ。姉妹編の「あけみ参上つかまちゅり~」もよろしくお願い致します。
Cast

樹里絵(jyurie):1998年生まれ。マイペースで世話が焼けません。性格温厚で超パパっ子。

桃之輔(momonosuke):1999年生まれ。甘えっ子ですが、ものすごく臆病で、ほとんど一日中、布団の中に隠れています。

亜依子(aiko):2000年生まれ。自己主張が強くて偏屈ですが、そこがまた可愛いいんだなあ。超ママっ子です。

真美(mami):2005年生まれ。外見はタヌキそのもの、性格は犬そのものです。才気煥発で気性が激しい。

美意子(miiko):2005年生まれ? 歯を見ると6、7歳…本当は何歳だろう?一日中、文句たらたら言っています。

奈々(nana):2001年生まれ。ようやくノラっぽさもなくなり、明るい陽気な子になりました。
明美(akemi)にゃ三郎(nyasaburou)、小牧(komaki):2007年生まれ。仲良し3兄弟。毎日楽しそうに暮らしています。

里音(satone):2009年8月保護。どんな生い立ちでどんなニャン生を過ごしてきたのか、それは謎です。未来を生きる猫!

寿々(suzu):1994年12月~2010年3月12日。パパの仕事部屋に入れた唯一の子。人の気持ちがよくわかる、とてもとても頭の良い子でした。

福太郎(fukutarou):1997年4月~2008年3月20日。陽気で甘えっ子。抱っこされるのが大好きでした。お母さん代わりだった寿々との再会、「欣喜猫躍」していることでしょう。
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