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ジュリと出会った日のこと

2007年05月05日(土)

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1998年7月のとある水曜日。曜日をしっかりと覚えているのは、忘れようにも忘れられない、ゴミの収集日だったからだ。夜には滅法強いけれど、そのぶん朝が苦手なママは、8時半までに出さなければならないゴミ出しはまさに「地獄」の掟で、なかなか間に合わない。だから週に3回ある収集日のうち、2回出すのがせいぜい。その日もやっとの思いでゴミ袋を担いで集積所に向かった。

・・・まだ覚めやらぬ頭、夢でも見ているのか、寝ぼけた耳に集積箱の中から子猫が必死で泣いている声が聞こえてくる。ゴミ袋の中に子猫が捨てられている、すぐに助けてあげなくちゃと、気持ちは十分に急いているのだが、潰れかかったようなグチャグチャの、それはそれは哀れな子猫が出てきたらどうしようと思うと、とても一人で探し出す勇気がない。

なにしろこのあたり、生まれたばかりの子猫は袋に入れ、近くの沼や川に捨ててしまうという地域なのだ。野蛮だの、かわいそうだのと非難したくなる気持ちがないわけではないけれど、「目もまだ開いてねえから」と言う農家のばっさまの、格別罪の意識もなさそうな様子を見ると、それが昔からのこの地域のやり方、余所者で新参者のママがどうのこうのと言える立場にはない。

それでも最近は世代交代で住民も若返り、仲良くなった農家の娘さんは、避妊手術を勧めるママの訴えにようやく反応してくれて、獣医さんに猫を連れていってくれるまでになった。とは言え、じっさま、ばっさまは相変わらず旧来方式を貫いているから、子猫たちの運命はまだまだ予断を許さない。そんな事情があるから、袋の中を見るのが怖くて仕方がないというわけ。こんな時の強い味方、「そうだ、パパを呼んでこよう」と思い立ち、急いで家に舞い戻った。

幸い子猫はゴミ袋の中ではなく、集積箱の後ろでうろうろしながら泣いていた。生後1ケ月ぐらいだろうか、拾い上げたパパの手の中でブルブルと震え続けていたから、よほど怖い思いをしていたに違いない。我が家には先住の猫たちがいるので、そのまま動物病院に連れて行き、早々に健康診断。「健康児」の太鼓判を押してもらい、晴れて公認の飼い猫となった。

病気の心配はなくなったけれど、我が家にはもうひとつ心配の種が残されていた。当時、先住猫の中でも親分格だったクリ兄ちゃんが、子猫を受け入れてくれるだろうかということ。クリは一見コワモテの大きな黒キジトラで、日ごろから、何かに付けて不器用さが目立つタイプ。その上大層迫力があったから、子猫を一噛みで・・・などという恐ろしいことをしやしないかと、それだけが心配だった。ところが猫は猫同士、そんな人間の心配をよそに、クリは案外と子供好きな様子を見せ、無骨な手でジュリをかまう。よしよし、これで猫関係も問題なし。

一生懸命生きようとしていた小さな命と出会ったのが7月。だからジュリ(July)と名づけられた猫だったが、天から降ってきたはずもなく、拾ったばかりの頃は、バターも何もついていない「食パン」を喜んで食べる子だったから、きっと小学生の給食のおこぼれにでも与りながら、命を繋いでいたに違いない。ひとまず誰かに拾われて、ゴミの集積所まで運ばれてきたのだろうが、いったいどこで生まれたのか。今でも時々ジュリに聞きたくなることがあるのだが、そんな昔のことなど、ジュリにとってはもうどうでも良いことに違いない。ニャン生だろうが人生だろうが、今が幸せならすべてよし…なのだもの。

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写真:(上)我が家に来て1ヶ月目のジュリちゃん。すっかり安心してお腹を見せている。既成の首輪は大きいので‘パンツのゴムひもに鈴’が、我が家流子猫の首輪。ちりんちりんの鳴ってくれるのでどこに居るか一目瞭然。(左)コワモテだけれど優しかったクリ兄ちゃんと一緒に。


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プロフィール

鈍行列車の「ちゅうちゅうとれいん」はいつも満員(ふ~っ…)!時々燃料切れを起こして更新が滞ることがありますが、どうぞ末永くおつきあいくださいネ。姉妹編の「あけみ参上つかまちゅり~」もよろしくお願い致します。

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Cast

樹里絵
樹里絵(jyurie):1998年生まれ。マイペースで世話が焼けません。性格温厚で超パパっ子。

桃之輔
桃之輔(momonosuke):1999年生まれ。甘えっ子ですが、ものすごく臆病で、ほとんど一日中、布団の中に隠れています。

亜依子
亜依子(aiko):2000年生まれ。自己主張が強くて偏屈ですが、そこがまた可愛いいんだなあ。超ママっ子です。

真美
真美(mami):2005年生まれ。外見はタヌキそのもの、性格は犬そのものです。才気煥発で気性が激しい。

美意子
美意子(miiko):2005年生まれ? 歯を見ると6、7歳…本当は何歳だろう?一日中、文句たらたら言っています。

奈々
奈々(nana):2001年生まれ。ようやくノラっぽさもなくなり、明るい陽気な子になりました。

明美 にゃ三郎 小牧
明美(akemi)にゃ三郎(nyasaburou)、小牧(komaki):2007年生まれ。仲良し3兄弟。毎日楽しそうに暮らしています。

里音
里音(satone):2009年8月保護。どんな生い立ちでどんなニャン生を過ごしてきたのか、それは謎です。未来を生きる猫!

寿々
寿々(suzu):1994年12月~2010年3月12日。パパの仕事部屋に入れた唯一の子。人の気持ちがよくわかる、とてもとても頭の良い子でした。

福太郎
福太郎(fukutarou):1997年4月~2008年3月20日。陽気で甘えっ子。抱っこされるのが大好きでした。お母さん代わりだった寿々との再会、「欣喜猫躍」していることでしょう。

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